安野モヨコ「よみよま」
太田出版から、「スーパーバイザー松尾スズキ」と記された「hon・nin 本人 vol. 00」という雑誌(マンガ誌じゃありません)が発売されてまして、これを立ち読みしてました。と、この巻頭に、安野モヨコ「よみよま 黄泉夜間」という8ページの短編マンガが掲載されておりました。
不覚にも、書店の店頭で目頭が熱くなってしまった。
主人公は、安野モヨコの分身と思われるマンガ家。「あたしは1人の女の子を養っている」というモノローグで始まります。
この少女は、主人公の幼なじみで親友で、今は心の病で病院に入院しているけど、20歳までに傑作マンガをたくさん描いたらしい。
主人公は、彼女が復活するのを祈りながらマンガを描く。
「早く早く描かないと」「遠くで眠る本当の天才が目覚める前に」「描かないと」
主人公の耳に聞こえるのは、「こんなものを読まされるのはもう沢山だ」「つまんねーから早く終わってくれ」などという読者の声。それでも主人公はマンガを描き続けます。
どうしても思い浮かぶのは、岡崎京子のことです。これはわたしの的外れな連想なのかもしれません。この作品はまったく別のものを語っているのかもしれない。それでもわたしにはこれ以外に考えられなくなってしまいました。
こういうのをツボにはまると言うのかな。泣けた。
Comments