ちょっと希望を言ってみる
「スタジオ・ボイス」2006年9月号のマンガ特集で、ちょっとどうかなあと思ったのが、「コミック誌(ほとんど)全レヴュー!」というもの。これがたったの(!)35誌しか紹介されていないのですね。
ジャンプ、サンデー、マガジン、チャンピオン、ヤンマガ、スピリッツ、モーニング、ヤンサン、ヤンジャン、ゴラク、アクション、オリジナル、ビッグコミック、ヤングアニマル、イブニング、バンチ、ヤングキング、ガンガン、別マ、フィールヤング、花とゆめ、フラワーズ、コーラス、コミックビーム、IKKI、アフタヌーン、ヤングキングアワーズ、コミックフラッパー、ウルトラジャンプ、サンデーGX、電撃大王、少年エース、エロティクスF、アックス、メガストア。
もちろんそんなはずはなくて、ここには「ちゃお」も「なかよし」も「コロコロ」もないし、わたしがときどき買ってるホラー系マンガ誌もないし、「週刊漫画」も時代劇誌も四コマ誌もない。レディコミ系のぶ厚い雑誌もない。エロ系雑誌で紹介されてるのが「メガストア」だけ。この程度で、「これが、現在進行形コミックの現場である」てのは、どうか。
もちろん個人ですべてのマンガ雑誌を読むことは不可能なので(限りなく近いことをやってるかたはいらっしゃいますが)、こういう特集でこそ、すべてのマンガ雑誌レビューをやってくれるとどれだけうれしいか。将来、2006年という時代の重要な証言にもなるはずなんですけど。
さらに目を広げて、マンガはマンガ雑誌だけに掲載されてるわけじゃなくて、一般雑誌にも連載マンガがあります。書評誌にも、ヤンキー誌にも、パソコン誌にも、注目に値するものがいっぱいあります。こっちも紹介してくれないなあ。
今、国友やすゆきが週刊ポストのエッチマンガでどれだけムチャな展開を好き勝手にやってるか、オヤジ連中しか知らないのですから、こういうのを読者に教えてくれなきゃ。
もちろん、古典的に新聞にもマンガは連載されてるし、今はネットマンガにも目配りが必要なんで、たいへんな仕事になるでしょう。さすがに同人誌まで手を広げるのは無理だと思いますが。
現在のほとんどすべての日本マンガに目を向けるような記事を、どこかが載っけてくれないかしら。
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Comments
コメントありがとうございます。あ、パチンコ系マンガもありましたね。そういえば「かがくる」「そーなんだ」などの学習マンガ雑誌もあったし。そこまで含めちゃうと、すべて網羅するのは不可能に近いのかもしれませんが、だからこそどこかの本で特集してくんないかなあと。
Posted by: 漫棚通信 | August 11, 2006 02:29 PM
今年の日本マンガ学会大会総会では、こうした一見
「見えないマンガ」に注目し、研究発表をやって
みたわけです。
パチンコ系マンガ誌なども、相当数売れているようです。
末井昭さんと編集の方に来ていただいたりもしました。
Posted by: 長谷邦夫 | August 11, 2006 12:14 AM