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May 29, 2006

タッチから作家がわかるか

 川崎のぼる/梶原一騎「巨人の星」に、園田光慶が作画協力していた話は聞いたことがありますが、このふたり、もともと絵が似てることもあって、どの部分が園田光慶の絵なのかよくわかりませんのです。

 ただし、「巨人の星」の中であきらかに別人の手がはいってるところがありまして、昔の講談社コミックス版なら5巻、飛雄馬が青雲高校を退学する回です。

 この回、最初のほうで飛雄馬、一徹、明子が話し合ってるシーンはおそらく川崎のぼるの絵なのですが、その後、絵がなにやら荒くなってくる。そして、その他大勢の人物はともかく、教頭の顔になると、どうも別人の絵のような気がします。

 ここが園田光慶の絵なのかなあ、なんて考えておりますと、この回のラスト2ページ。伴宙太と牧場の対話→伴が牧場を投げ飛ばして→伴が鉄棒にぶらさがる展開のところ。

 この2ページは誰が見ても別人の絵です。わたし、昔っから、ここ、永島慎二じゃないかと思ってるんですが、さて、いかがなもんでしょ。

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Comments

みなもと先生、すがや先生、コメントありがとうございます。
やっぱ、永島慎二ですか。気づいてる人多かったのですね。花形のテニスコーチ、確かにあの鼻は川崎のぼるの鼻じゃないし、極端なパースは脇役にしてはカッコよすぎます。
1950年前後の生まれの方々はみなさん「アイアンマッスル」をおっしゃいますが、貸本世代じゃないわたしには園田といえば「あかつき戦闘隊」でして、「アイアンマッスル」は長らく幻でした。最近の復刻ブームはありがたいことです。

Posted by: 漫棚通信 | May 30, 2006 08:59 PM

 あ、その鉄棒のシーンは、「永島さんがアシスタントを連れて手伝いにいったときに描いた」ものと高校生の頃には聞いていました。

「川崎のぼるさんは、机の横に洗面器を置いて、吐きながら仕事をしているらしい」という話と一緒に聞いたんだと思います。マンガの同人誌仲間から聞いたんだと思いますが、彼らは貸本劇画系の劇画家のところに出入りしていたので、そちらの関係から聞いてきたのかもしれません。そんな話を聞いて、ますます「マンガ家になるためには、もっと身体を鍛えなくては……」と水泳のクラブ活動に熱心に取り組むようになりました。

「頭が悪くてもマンガ家になれるけど、身体が弱くてはマンガ家になれない」という業界の説も、やはりこの頃、耳にしています。1967年の春からは、1か月おきに上京しては、マンガの同人誌仲間と一緒にマンガ家、劇画家の先生のお宅やら「COM」の編集部をまわってましたので、そんな道中のどこかで聞いたんだと思います。

「ありかわ栄一 改め 園田光慶」氏は、『車大助』や『ホームラン探偵局』などで、いちはやく雑誌に進出した貸本系劇画家のひとりでしたが、『挑戦資格』や『完全紳士』を経たあとの『アイアンマッスル』は、そりゃもう大ショックでしたね。

 ただ、劇画を変えたという意味では、園田光慶→宮谷一彦→大友克洋というラインだろうと思っています。「宮谷ショック」というのも大きかったですよ。とりわけ背景を描き込むと同時に、自動車の車種はもちろん、コカコーラの瓶とはリッケンバッカーのエレキギターとか、ちゃんとブランドまでわかるように描いた最初で、これが劇画の「リアル」の意味合いを変えました。

Posted by: すがやみつる | May 30, 2006 01:53 AM

あ「園田光慶」の字、間違ってる。

Posted by: みなもと太郎 | May 29, 2006 10:50 PM

私も昔から「あれは永島慎二」と思っておりますがね。
なにしろ誰もそんな事言わないし、こっちは「テニスの先生は
園田光良!」の主張でみんな{えー?」「園田ってだれ?アシスタント?」レベルの反応なのに嫌気がさして、今は殆んど口をつぐんじゃっております。「巨人の☆」時代はアイアンマッスルショック
世代が腕を上げ、売れっ子になる直前だったので、〆切直前ドタバタの夜なんかには、思わぬ助っ人が参加していると思われますよ。
(ようするに松森正、みね武、かざま鋭二といった世代ですね。別にこの人たちが現実に手伝ったって言うんじゃなくて、この頃の人たち、という意味です。仮に手伝ってても、ま、見分けはつかんでしょうけど)
話を広げるつもりは無いけど、「あしたのジョー」の特等少年院ボクシング大会でジョーと力石が相打ちになり、丹下段平が解説を始め「その名はクロスカウンター!」と明かすや、少年院生徒たちは初めて聞く必殺技にショックを受けるんだけど、そもそも力石が初登場した時、暴走豚大群との脱走を阻止されて殴りかかってくるジョーをパンチ一発で気絶させ「出た…力石さん得意のクロスカウンターが…」と少年院の連中はみんな知ってるのね。フキダシの中の
セリフだけなんだから、単行本化の際いくらでも直せるんだけど何回本になっても何十年たっても同じセリフ。「誰も指摘しないのかなあ」ってズッと思ってるんだけど、近頃は差別用語を随分直してるそうだからココも直ってるかしら? …ま、関係ない話してしまってドーモすいません。あまりに懐かしい話に脳内回路が逆流してしまって。

Posted by: みなもと太郎 | May 29, 2006 10:35 PM

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