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April 28, 2006

フは復讐のフ 「V フォー・ヴェンデッタ」

 アラン・ムーア/デヴィッド・ロイド「V for Vendetta」の日本語版が小学館プロダクションより刊行。もちろん映画公開にあわせた原作マンガ発売です。

 訳しにくいタイトルですが、さすがに日本語タイトルがそのまま「V フォー・ヴェンデッタ」てのはどうなのかしら。ブラッドベリの「R is for Roket」が「ウは宇宙船のウ」と訳されてるのにならって、「フは復讐のフ」というのはいかがと思ったのですが、主人公の名前が「V」ですからね、これでは意味をなしません。「V はヴェンデッタのV」ではさらに何やらわからんですね。

 イギリスで1982年から週刊連載され、1985年掲載誌の休刊のため中断。その後アメリカDCに移籍し1989年に完結、という作品です。この間にアラン・ムーアは「ウォッチメン」というオールタイム・ベスト級の作品を発表しています。

 主人公のV は、仮面にマント姿の超人的テロリスト。近未来、核戦争後に全体主義国家となったイギリスで、主人公が、殺人、コンピューター・ハッキング、爆破テロをくりかえす、ノワールなオトナのマンガです。

 いつものアラン・ムーアのように、文学、音楽、映画、ポップカルチャーの引用だらけで、ストーリーそのものよりバックグラウンドが難解ですが、そこはそれ、用語解説がきっちりしていてタイヘンうれしい。

 マンガとしては、今回「心の声」や効果音を廃してセリフだけでストーリーを進めているのが実験だったようです。さらに日本マンガに慣れた目からは、集中線がない、動線がない、コメカミの汗などの漫符がない、動きに対してコマを細かく割らない、など、なるほどこういう手があるんだなあと新鮮。

 深夜、主人公V がビルの屋上でチャイコフスキーの曲に合わせて指揮をする。指揮棒をふるたびに市街のあちこちで爆発の炎が上がるという恐ろしくも美しいシーン。このクライマックスがカットバックを使いながら6ページで表現されます。お見事な描写だと思うのですが、日本マンガならここをどう描くでしょうか。

 この作品、雑誌連載時はモノクロで発表されていたそうです。イギリスのマンガはモノクロ週刊誌が主流だったという話に驚きました。1972年マーヴルUKが創刊した「マイティ・ワールド・オブ・マーヴル」も週刊モノクロでアメリカ作品の再録をしてたらしい。大西洋をはさんだアメリカとフランスでカラーマンガが主流だったのに、その間のイギリスではモノクロ。お国でいろいろ違うのね、「欧米」なんてひとくくりにしててスミマセンでした。

 作品の構造としては、ファシズム国家が悪、革命をめざすテロリストが善、という古典的構図で、今となってはちょっと懐かしくも感じてしまいます。ただし倒される悪役や端役も細かい書き込みをするのがムーア流。

 そして、仮面の反逆者が死んだのち、別人がその仮面を受け継ぎ、二代目となる。二代目○○という、アメコミでご存知の設定ではありますが、なーんかどっかで読んだような気が……? そうだっ、忍者武芸帳だっ。

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April 26, 2006

「中春こまわり君」再開

 近所のスーパーマーケットに立ち寄ったついでに、ちょっと雑誌コーナーを覗いてみると。いつもは手にとらないビッグコミックの巻頭に、あーら、山上たつひこ「中春こまわり君」が掲載されてました。

 今回は、ジュンちゃん(すでに40才)が別れたはずのロクデナシ亭主にひどいめにあってるらしいことを聞きつけたこまわり君と西条君が、兵庫県明石に向かうというお話です。

 あいかわらず達者な絵ですが、さすがにこまわり君も、小学生ギャグばっかりやってるわけにはいかない。人生を背負ってます。 

 二年ぶりですねえ。3回連載の第1回ですが、今回のエピソードが終わるまで雑誌を買い続けることになるでしょう。さて「中春こまわり君」、いつの日か単行本として一冊にまとまるかどうか。

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April 24, 2006

「挑戦者AAA」:永島慎二の1967年

 永島慎二/梶原一騎「挑戦者AAA」が、マンガショップより発売されてます。今回の復刻では「チャレンジャートリプルエース」とルビがふってありますが、連載当時は「ちょうせんしゃトリプルエース」だったはずです。

 少年画報1967年1月号から12月号まで連載されたもので、この連載中、週刊少年キング1967年23号から永島/梶原コンビの第二作「柔道一直線」が始まります。

 戦争孤児の主人公・黒羽は、少年院にいたとき悪のスパイ組織メフィストにスカウトされ、超人的な殺し屋として養成されます。組織を抜けた黒羽におそいかかる、メフィストからの刺客たち!

 というストーリーで、主人公が少年院に慰問に行ったりしてますから、翌年始まるタイガーマスクの骨格そのままですね。読み直すまですっかり忘れてました。

 1966年から1967年にかけては、わたしが少年画報をもっともよく買ってた時期です。毎号マグマ大使が表紙をかざってたころ。「挑戦者AAA」もはでなアクションが売りでした。前半の、東京湾にあるメフィストの秘密基地のエピソードは喜んで読んでましたが、後半、主人公がプロレスラーと戦う展開になるころは、まったく知りませんでした。いやー、何を書いても梶原一騎。

 少年期からむちゃ達者な絵を描いていた永島慎二、初期には雑誌掲載も多いのですが、1959年からはほとんど貸本単行本しか描かなくなりました。その世界でいろいろと名作を発表。しかし1964年には生活の困窮もあり、虫プロに入社してアニメーションの世界に足を踏み入れます。

 その彼がふたたびマンガに復帰したのが1966年末です。まず少年画報1966年12月号に「復讐」、週刊少年キング1966年49号に「大魔神逆襲」(映画のコミカライズ)を発表しています。この「大魔神逆襲」は、映画版が劇場公開されたとき、劇場で単体発売されたらしい。

http://hop2001.hp.infoseek.co.jp/data75.html
http://miuscg.hp.infoseek.co.jp/majin_comic.html

 永島慎二のマンガ復帰は、まず「売れるマンガ」をめざしたところから始まりました。これに続くのが、少年画報で梶原一騎と組んだ「挑戦者AAA」です。

 同時に虫プロ「COM」1967年1月創刊号から毎回短篇掲載を始め、1967年4月号からは代表作となる「フーテン」の連載開始。さらに青林堂「ガロ」1967年5月号から連続して短篇掲載が始まります。

 そしてほぼ同時に、週刊少年キング1967年23号から、梶原一騎原作の「柔道一直線」の連載開始。秋からは冒険王に「豹マン」(ピープロが企画していた特撮ドラマのコミカライズ。結局放映されませんでした)を連載。さらにさらにさらに、1967年には過去のシリーズ「漫画家残酷物語」をトレスし、朝日ソノラマから新書版単行本として刊行開始。

 1967年の永島慎二は、週刊連載ひとつ、月刊連載四つをかかえ、掲載誌はキング・少年画報・冒険王・COM・ガロとメジャー、マイナーをこえた忙しい作家となっていました。

 ただし、作者は精神的にどうだったか。

 一応ビルドゥングス・ロマンであるところの「柔道一直線」はともかく、もうひとつの「挑戦者AAA」に登場するのは、ナチスっぽい制服の悪の組織の幹部、覆面の首領、極悪な殺し屋、主人公をすぐ裏切る不良少年たち、無能な警察、騒がしいだけのマスコミ。後半になって主人公と心を通わす少年が登場するまで、やーな連中しか出てこない。梶原一騎らしいといえばそうなんですが。

 ガンアクションやナイフでばんばん人は死ぬし、永島慎二の作品中、おそらくもっとも多数の死者の出たマンガでしょう。もしかしたら梶原一騎作品としても、時代劇以上に人が死んでるかも。

 「挑戦者AAA」は、かつて永島が「漫画家残酷物語」で自身が批判した作品そのものであったはずです。

 永島慎二は、マンガ復帰から1年もたたない1967年9月ごろから(自身の言葉によると)精神的に不安定になり、1968年4月からの外国旅行を計画し始めます。

 「挑戦者AAA」は少年画報1967年12月号で終了。「柔道一直線」は週刊少年キング1968年22号までで休載。おそらくは九州編終了のころにあたります。

 そして、1968年4月10日、永島慎二はアメリカ旅行に旅立ちます。現在の海外旅行を考えてはいけません。行きはサンフランシスコまでの船便。ニューヨーク、マイアミ、メキシコ、ロサンゼルスを回って、帰国は飛行機で6月17日。全行程80日間に及ぶものでした。

 「柔道一直線」の再開は週刊少年キング1968年42号から。雑誌の中心となる人気作品が5ヵ月休載したことになります。

 帰国後の永島慎二は、「柔道一直線」の連載を続けながら、青年誌を中心に精力的に作品を発表します。しかし、ついに1970年春、突然「柔道一直線」から降板してしまいます。当時「柔道一直線」はTVドラマ放映中で人気絶頂でした。作画は斎藤ゆずるにバトンタッチされます。

 当然、他誌の仕事を続けることもできなくなります。ちょうどそのころ「フーテン」を連載中だったプレイコミックに載った「拝啓 読者どの」という文章。

 1970年4月、自称マンガ家 永島慎二は体の調子が悪いと思い、気軽に医者に診てもらったところ、病気であるとの判決を申し渡される。病名は終身刑にも似た糖尿病。および、都会病 慢性気管支炎との事であった。約30年にわたり、その肉体と健康を誇っていただけに、その意気消沈たるや 見るも無残、精神状態は、すでに壊滅状態寸前であります。
 このような事件を口実に、いっさいの仕事から逃れ、約1ヶ月間 のんべんだらりと時間をつぶし、何をやっても手につかず(以下略)

 そしてCOM1970年5・6月号に自身の旧作マンガと共に掲載された文章。

この作品を描いた頃から、ちょうど一年ほどになります。この作品にあるように、一年めの現在も糖尿病に悩まされ、と同時に現在の小生のまんが家生活に対する姿勢に疑問を感じてきました。医者からいっさいの仕事のさし止めをくい、それでこれを機会にゆっくり休養しようと思いたった訳です。

 さらにプレイコミックに再度掲載された1970年7月17日の日付入りの文章。

この度、P・C(プレイコミック)にて一年近く、れんさいさせて戴いた“フーテン”を未完ながら一度おわらせたいと決心しました。
このところ、又体の調子をくずして、再度入院することとなり、その上、現在の私は作品を作る意欲にかけます。
このまま描きつづけることは、たとえできたとしても、それは惰性にすぎず、読者諸兄および自分にまでもウソをつくと、イヤ、うそをつきつづけることになると考えるのです。

 たしかに体調は悪かったのでしょうが、要は精神的にまいってしまったと。

 この1970年に永島は渡米していません。斎藤貴男「梶原一騎伝」にある、1970年に永島慎二が「柔道一直線」を放棄してひとり渡米してしまったという記述は、あきらかに誤りであることを、再度、記しておきます。

 実際に永島慎二の作品数が回復するのは1971年です。この年、少年サンデーに描いた「花いちもんめ」で、小学館児童漫画賞を受賞します。その後は「旅人くん」などを経て、しだいに知るひとぞ知るマンガ家、という存在になっていきます。

 後年の永島慎二の人生の方向を決めてしまったのが、1967年の「挑戦者AAA」だったのでしょうか。

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April 21, 2006

ビデオデッキ昇天

 録画してあった「実写版ちびまる子ちゃん」を見ている最中、突然ビデオが不調となり、テープが巻き込まれてしまいました。カセットはなんとか取り出したものの、テープは切れてドラマの後半は見られず。

 ビデオデッキも変な動作のあと、すぐ電源が切れる症状が。ああ、ついにお亡くなりになったか。というわけで、本日のケロロは録画できません。

 このビデオ、1996年製の東芝ARENAで、当時10万円以上のケッコウなお値段だったものですが、これまでも故障と修理をくりかえして今回が3回め。ハズレの機械でした。ウチの同居人などは、故障のたびに、こんな高いものを買ってからに、といつまでもわたしを責める。もう10年たってるんだから、時効だろー。

 10年なら、寿命と考えるべきなのか。さて、さすがに今回は修理をする気にならず、買い換えることになりました。当然ここはハヤリのHDDレコーダーに行きたい。と、(ちょっとうれしそうに)機種を検討しておりますと、同居人が大反対。今、たまっているテープはどうするつもりかっ。

 かつて独りもん時代、うちのビデオテープも、M君の部屋の光景はひとごとじゃないよ、てなくらいあったのですが、すべて処分してしまいました。このままでは社会人としてどうか、と反省したわけではなく、たんに仕事が忙しくて撮ったビデオ見てる暇がない。マンガと違ってビデオ見るのは、ちょっと空いた時間に、というわけにもいきませんし。あとスペース的にマンガもビデオもというのはちょっときついです。VHSテープは場所をとりますから。

 それでも、見てないテープは次第にたまっていきますし、少しとはいえ、保存してるテープもあります。交渉に破れ、今回は、HDDレコーダーじゃなくて、VHSビデオの安いのを買うことになりました。ちぇっ。

 そこで。

 近くの家電屋で買ってきました。ビクターのHR-G13。S-VHSは簡易再生、Gコード録画可能で13800円。もしGコードなしなら2000円安となります。この機械がまたデザインちゃちだわ軽いわで、オモチャみたいで高級感ゼロ。ちゃんと動くんだろうな。

 ウチのビデオデッキ史上最安値です。これをケーブルテレビチューナーとかアンプとかと、わっさわっさとつなぎまくって、アンプとTVをつなぐS端子ケーブルはピンコードにとりかえて、これではレーザーディスクが映らなくなるからレーザーディスクとアンプとの間のS端子ケーブルもはずして、などと試行錯誤をくりかえし、やっと普通にテレビが見られる環境に戻りました。

 わが家のAV環境はあまり良い方向には向かって行ってないなあ。HDDレコーダー、いつか買ってやるから待ってろよ。あと薄型の大型TVもそのうちに。

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April 19, 2006

第10回手塚治虫文化賞大予想!

 さて、予告してありましたエントリ、第10回手塚治虫文化賞大予想であります。

 とか言ってたら、とっくに選考は終わってるらしくて、今さらどうか、という気もしますが、気をとりなおして。今年の結果をご存知のかたも、知らないフリをしてお読みください。

 過去の受賞作はコチラをどうぞ。

 選ぶのはあくまで選考委員。というわけで、今年の選考委員はこのかたがただっ。

荒俣宏(あらまた・ひろし) 作家
いしかわじゅん マンガ家
印口崇(おしぐち・たかし) マンガ専門店店長
香山リカ(かやま・りか) 精神科医 ・帝塚山学院大学教授
呉智英(くれ・ともふさ) 評論家
萩尾望都(はぎお・もと) マンガ家
藤本由香里(ふじもと・ゆかり) 編集者・評論家
村上知彦(むらかみ・ともひこ) 評論家・神戸松蔭女子学院大学講師

 手塚治虫文化賞は3年ごとに選考委員が変更されるようになってます。第1回から第3回までは24~25人の大所帯でしたが、第4回からは15人。第7回からさらに減って8人。以後第9回まで同じ選考委員でやってきてましたが、今回入れ替えとなりました。清水勲、関川夏央、マット・ソーンが抜けて、印口崇、藤本由香里、村上知彦が復帰。あとの5人は同じメンバーです。

 さて、それぞれの選考委員の好みを見ていきましょう。今回は過去の新聞を捜して読むまでの気力がなかったので、全部ネット上の記録を読んですませちゃいました。マチガイがあったらスミマセン。


 まず、荒俣宏、いしかわじゅん、呉智英。三人とも第1回からすべてに参加しています。

■荒俣宏の投票は以下の如く。タイトルのあとの数字はその委員がいれた点数です。

第1回一次選考:陰陽師5、チワワちゃん4、Palepoli 4、超・学校法人スタア学園1、レベルE 1
第1回最終選考:蒼天航路5、ドラゴンヘッド4、残酷な神が支配する3、ドラえもん1、ピンポン1

第2回一次選考:COBRA、デビルマンレディー、乾からびた胎児、唐沢なをきの楽園座、月的愛人

第3回一次選考:学園天国5、陰陽師3、カイジ3、木槌の誘い3、致死量ドーリス1
第3回最終選考:UNTITLED5、神童4、ベルセルク3

 第1回から第3回までは選考委員が多いことと、最初は賞の性格が決まってなかったので、手探り状態。荒俣宏も自分の好きな一次選考作品を最終選考に残すことができてません。(第2回は投票結果がネット上になかったので、点数抜きで作品名だけ挙げてます)

第4回一次選考:うずまき5、バガボンド5、西遊妖猿伝2、金瓶梅2、輝夜姫1
第4回最終選考:西遊妖猿伝6、ドラゴンヘッド5、The World Is Mine 4、ベルセルク3、イティハーサ2、ONE PIECE 1

第5回一次選考:カスミ伝△4、陰陽師3、刑務所の中3、サラリーマン金太郎3、愚か者の楽園2
第5回最終選考:陰陽師6、弥次喜多 in DEEP 5、バガボンド4、ベルセルク3、グーグーだってネコである2、ONE PIECE 1

第6回一次選考:ちひろ5、あずまんが大王3、真ッ赤な東京3、秘密-トップ・シークレット-2、福神町綺譚2
第6回最終選考:秘密-トップ・シークレット-6、ヒカルの碁5、The World Is Mine 4、バガボンド3、ONE PIECE 2、ベルセルク1

 4、5回でやっと大賞に投票できました。

第7回一次選考:黄色い本5、ヒカルの碁3、もっけ3、風雲児たち幕末編2、ONE PIECE 2
第8回一次選考:舞姫テレプシコーラ5、ブラックジャックによろしく4、風雲児たち幕末編3、さちことねこさま2、まんが紀行奥の細道1
第9回一次選考:舞姫テレプシコーラ4、夕凪の街 桜の国4

 6回までは最終選考も投票でしたが、7回以後は最終選考は話し合いで決定されるように変更されました。選考委員が8人とさらに減ったこともあって、いかに自分の押す作品を最終選考に残すかという戦略が必要になってきます。荒俣宏はかつて「陰陽師」をずっと推してましたが、最近は「舞姫」ね。あと唐沢なをき、楠本まきがお気に入り。

 ただしマンガは専門外のようで、かなりのんびりしてらっしゃる印象ですが。

 (第9回の一次選考の投票結果はネットでは上位しか記載されておらず、誰が何に投票したのか正確にはわかりません)


■いしかわじゅん

第1回一次選考:覚悟のススメ3、行け!稲中卓球部2、風の大地2
第1回最終選考:ドラゴンヘッド5、ピンポン5、覚悟のススメ5

第2回一次選考:ゆんぼくん、行け!稲中卓球部、SEED、ミナミの帝王、奈緒子

第3回一次選考:ベルセルク5、神童5、ドラゴンヘッド5
第3回最終選考:ベルセルク5、神童4、ドラゴンヘッド3、MONSTER3

 初期から、自分の推す作品を最終選考に残すことに成功しているいしかわじゅん。かなりの戦略家です。第3回なんかどんぴしゃ。

第4回一次選考:ベルセルク5、地雷震4、西遊妖猿伝3、カイジ2、ロダンのこころ1
第4回最終選考:ベルセルク6、西遊妖猿伝5、ドラゴンヘッド4、ONE PIECE 3、The Worls Is Mine 2、イティハーサ1

第5回一次選考:バガボンド5、刑務所の中3、女には向かない職業3、弥次喜多 in DEEP 2、天才柳沢教授の生活
第5回最終選考:バガボンド6、弥次喜多 in DEEP 5、陰陽師4、ベルセルク3、ONE PIECE 2、グーグーだって猫である1

第6回一次選考:バガボンド5、あたしンち5、真ッ赤な東京3、ぶっせん3
第6回最終選考:バガボンド6、ベルセルク5、ONE PIECE 4、ヒカルの碁3、The World Is Mine 2、秘密-トップ・シークレット-1

 第6回は、大賞が「バガボンド」、優秀賞が「ベルセルク」で、以前から毎回候補に上がってたこの二作品をイッキにかたづけちゃった回です。

第7回一次選考:軍鶏5、百鬼夜行抄4、黄色い本3、昴2、魁!!クロマティ高校1
第8回一次選考:ブラックジャックによろしく5、百鬼夜行抄4、SEX MACHINE 3、少年少女2、カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦-1
第9回一次選考:PLUTO 5、舞姫テレプシコーラ1

 昨年の「PLUTO」も、一次から積極的に推してたのが、いしかわじゅんと萩尾望都。


■呉智英

第1回一次選考:ドラえもん5、ドラゴンヘッド5、ぼのぼの3、銀と金2
第1回最終選考:ドラえもん5、ドラゴンヘッド5

第2回一次選考:ドラゴンヘッド、The World Is Mine、カイジ、ぼくんち、真夜中の弥次さん喜多さん

第3回一次選考:The World Is Mine 5、神童4、夢の木の下で(諸星大二郎)4、新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論1、詩人ケン1
第3回最終選考:神童5、ドラゴンヘッド5、UNTITLED 2

第4回一次選考:西遊妖猿伝4、The World Is Mine 4、ドラゴンヘッド4、ゴーダ哲学堂3
第4回最終選考:西遊妖猿伝6、The World Is Mine 5、ドラゴンヘッド4、べルセルク3、イティハーサ2、ONE PIECE 1

第5回一次選考:刑務所の中5、弥次喜多 in DEEP 5、The World Is Mine 5
第5回最終選考:弥次喜多 in DEEP 6、バガボンド5、陰陽師4、ベルセルク3、ONE PIECE 2、グーグーだって猫である1

第6回一次選考:The World Is Mine 5、人間区人体町5、ハーイあっこです5
第6回最終選考:The World Is Mine 6、バガボンド5、秘密-トップ・シークレット-4、ベルセルク3、ヒカルの碁2、ONE PIECE 1

 いしかわじゅんと同じく戦略家。第1回で「ドラえもん」を大賞に、第3回で「神童」を優秀賞、第4回で「西遊妖猿伝」を大賞に。

第7回一次選考:風雲児たち幕末編5、黄色い本3、ハーイあっこです3、神罰2、虫けら様2
第8回一次選考:風雲児たち幕末編5、リーマン戦記独身3 4、こんちゅう稼業3、賭博破壊録カイジ3
第9回一次選考:水鏡綺譚5、団地ともお5、ヒストリエ3

 「風雲児たち」を推し続けて第8回の特別賞に。さらに候補じゃなかった「難波鉦異本」を第8回の新生賞にいれたのも呉智英のはずです。なかなか黒幕っぽい。


 かつて第1回から第6回まで選考委員だったのが、印口崇と村上知彦。

■印口崇

第1回一次選考:かちかちやま5、きらきらひかる4、おたんこナース3、大平面の小さな罪3
第1回最終選考:ピンポン5、覚悟のススメ4、蒼天航路3、ドラえもん3

第2回一次選考:「坊ちゃん」の時代、ベルセルク、Spirit of Wonder、ランポ、ネオブラッド

第3回一次選考:ARMS 5、西遊奇伝・大猿王5、多重人格探偵サイコ5
第3回最終選考:MONSTER 5、神童5、ベルセルク5

第4回一次選考:エイリアン9 5、ARMS 4、ヒカルの碁3、HELLSING 3
第4回最終選考:ベルセルク6、西遊妖猿伝5、イティハーサ4、ONE PIECE 3、ドラゴンヘッド2、The World Is Mine 1

第5回一次選考:ベルセルク5、ARMS 5、破壊魔定光3、あずまんが大王2
第5回最終選考:バガボンド6、陰陽師5、ベルセルク4、グーグーだって猫である3、弥次喜多 in DEEP 2、ONE PIECE 1

第6回一次選考:攻殻機動隊5、あずまんが大王5、プラネテス5
第6回最終選考:ヒカルの碁6、ベルセルク5、バガボンド4、ONE PIECE 3、秘密-トップ・シークレット-2、The World Is Mine 1

 印口崇は、一次選考で、できるだけ多彩な作品をすくいあげようとしているような印象です。無理に最終選考に残らなくてもいい、のかな。一部に熱狂的な人気があるのに賞と無縁な作品に光を。


■村上知彦

第1回一次選考:残酷な神が支配する5、MONSTER 3、ぼくんち3、新世紀エヴァンゲリオン2、青い車2、
第1回最終選考:残酷な神が支配する5、ドラゴンヘッド4、ピンポン4、蒼天航路1、覚悟のススメ1

第2回一次選考:「坊ちゃん」の時代、MONSTER、ゆんぼくん、フラグメンツ

第3回一次選考:UNTITLED 4、MONSTER 3、神童3、輝夜姫3、The World Is Mine 2
第3回最終選考:UNTITLED 5、MONSTER 3、神童3、ベルセルク2、ドラゴンヘッド2

第4回一次選考:西遊妖猿伝5、輝夜姫4、ドラゴンヘッド2、YASHA-夜叉-2、弥次喜多 in DEEP 2
第4回最終選考:西遊妖猿伝6、イティハーサ5、ドラゴンヘッド4、ONE PIECE 3、The World Is Mine 2、ベルセルク1

第5回一次選考:グーグーだって猫である4、GOGOモンスター4、できるかなリターンズ3、女には向かない職業2、犬夜叉2
第5回最終選考:陰陽師6、グーグーだって猫である5、弥次喜多 in DEEP 4、ONE PIECE 3、ベルセルク2、バガボンド1

第6回一次選考:犬夜叉5、The World Is Mine 4、ちひろ4、日露戦争物語2
第6回最終選考:ONE PIECE 6、The World Is Mine 5、ベルセルク4、秘密-トップ・シークレット-3、バガボンド2、ヒカルの碁1

 最初は高率に最終選考作を選んでましたが、後半ではアタリが減ってきた傾向あり。第6回で「ONE PIECE」が1位で「ヒカルの碁」が6位というのはどういう意図なのかしら。「日露戦争物語」に票を入れたのは村上知彦だけじゃありませんが、この2002年ごろはまだ面白かったのかなあ。


 第4回から6回まで選考委員だった藤本由香里。

■藤本由香里

第4回一次選考:ベルセルク5、イティハーサ5、め組の大吾3、弥次喜多 in DEEP 2
第4回最終選考:ベルセルク6、イティハーサ5、ドラゴンヘッド4、西遊妖猿伝3、ONE PIECE 2、The World Is Mine 1

第5回一次選考:ベルセルク5、陰陽師5、弥次喜多 in DEEP 2、天馬の血族2、ヒカルの碁1
第5回最終選考:ベルセルク6、陰陽師5、弥次喜多 in DEEP 4、バガボンド3、グーグーだって猫である2、ONE PIECE 1

第6回一次選考:秘密-トップ・シークレット-5、ベルセルク5、ヒカルの碁5
第6回最終選考:秘密-トップ・シークレット-6、ベルセルク5、ヒカルの碁4、The World Is Mine 3、バガボンド2、ONE PIECE 1

 自分の推す作品を最終選考に残す、という意味ではもっとも打率高し。豪腕ぶりを見せております。ただし、微妙に大賞ははずしてます。


 香山リカと萩尾望都が第7回以後。

■香山リカ

第7回一次選考:ブラックジャックによろしく5、黄色い本4、あずまんが大王3、グーグーだって猫である2、NANA 1
第8回一次選考:ヘルタースケルター5、NANA 5、鋼の錬金術師5
第9回一次選考:PLUTO 4、ヒストリエ4、水鏡綺譚2、のだめカンタービレ2


■萩尾望都

第7回一次選考:ヒカルの碁5、ブラックジャックによろしく4、百鬼夜行抄3、リアル3
第8回一次選考:ヘルタースケルター5、ONE PIECE 4、ブラックジャックによろしく3、リアル3
第9回一次選考:PLUTO 5、百鬼夜行抄5、リアル5

 情報が少ないのですが、ふたりとも第8回、第9回では「ヘルタースケルター」「PLUTO」を一次選考からプッシュして見事大賞にみちびいてます。萩尾望都は「リアル」がお気に入り。


 現在は投票じゃなくて審議によるようですので、こうなると、戦略家・いしかわじゅんと呉智英、対、女性陣三人、みたいな感じがしてきちゃいます。もちろんおそらく一人一派でだれがオトナの対応をするか、ということになるのでしょうが。

 ということをふまえて、賞の予想はいかに。今回わたしの評価は別。あくまで当てにいきます。

 現在の手塚治虫文化賞は、まず、選考委員が投票で一次選考をおこなう。この上位がノミネート作品となります。おそらくここでカケヒキがあって、いかに自分の推す作品を最終選考に残すか、で持ち点のわりふりをするのでしょう。

 ただし、以前の選考委員は24~25人の大所帯でしたから、バリエーションに富んだ作品が集まってくるのですが、今のシステムでは取りこぼしが多いような気がしてしょうがないのですがね。

 今年の最終選考ノミネート作品は以下のとおり(著者50音順)。

失踪日記:吾妻ひでお
働きマン:安野モヨコ
リトル・フォレスト:五十嵐大介
もやしもん:石川雅之
リアル:井上雄彦
ヒストリエ:岩明均
王様の仕立て屋~サルト・フィニート~:大河原遁
団地ともお:小田扉
のだめカンタービレ:二ノ宮知子
NANA:矢沢あい
イヴの眠り:吉田秋生

 誰が考えても大本命は「失踪日記」。なんせ文化庁メディア芸術祭大賞で、日本漫画家協会賞大賞です。これに対抗する作品はありうるのか。

 「王様の仕立て屋~サルト・フィニート~」を最終選考に残させたのは印口崇でしょう。「このマンガがすごい!2006・オトコ版」で1位に推しています。ただしここでもこの作品に投票したのは彼ひとりだから、ちょっときつい。

 「リアル」は、くりかえし推薦している萩尾望都でしょうか。しかし井上雄彦は「バガボンド」で受賞してますし、浦沢直樹につづいて二年連続の二作目受賞はありえないでしょう。

 「ヒストリエ」をこれまでに推薦してきたのは、呉智英と香山リカ。「団地ともお」を推してたのは呉智英。ただし呉智英は「このマンガを読め!2006」で、「失踪日記」と「団地ともお」を同点にしてます。

 さて、女性作家の四作、「働きマン」「のだめカンタービレ」「NANA」「イヴの眠り」があるのですが、ここで「失踪日記」に対抗できるとすれば、マンガというジャンルを超えた人気、かつベストセラーという意味で、「NANA」しかないでしょう。

 これまでしつこく推薦してるのが、香山リカ。ここで女性選考委員がタッグを組めば、「NANA」受賞も可能とは思うのですが、萩尾望都はおそらく「失踪日記」に行くだろうというのがわたしの予想。ラララ書店にも、「失踪日記」「のだめ」「働きマン」は置いてあっても、「NANA」はないのです。

 藤本由香里はバランスのひと(だと思うのですが)なので、「このマンガを読め!2006」では、「失踪日記」「働きマン」「のだめ」「DEATH NOTE」「おおきく振りかぶって」と、シュンなのを集めてますし、「このマンガがすごい!2006・オトコ版」でも「失踪日記」がトップ(オンナ版では「サプリ」です)。

 「NANA」には票が集まりにくい気がします。逆に言うと、今回の手塚治虫文化賞のテーマは、『ベストセラーである「NANA」を抑えて受賞する理由』が必要となるのじゃないでしょうか。となるとこれはもう。

 やっぱ「失踪日記」のテッパンレース。おっちゃんウソ言わへんで。これに賭けなはれ。

 続いて新生賞。この候補は「リトル・フォレスト」「もやしもん」「団地ともお」になるのでしょう。呉智英が将来の大賞受賞をにらんで「団地ともお」をひっこめるのじゃないかな(←勝手な邪推)。「リトル・フォレスト」と「もやしもん」の一騎打ちと見た。

 ここで「手塚治虫」というカンムリがものを言って、コドモにもうける「もやしもん」受賞で決まりだっ。

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April 17, 2006

少年小説大系のマンガ集

 戦前の冒険小説などを読むとき、いちばんまとまってて便利なのが、三一書房の「少年小説大系」です。少年小説だけじゃなくて、少女小説や戦後のものも収録されている楽しいシリーズ。ただし、高垣眸集になぜ「豹の眼」がはいってないのか、海野十三集のラインナップはこれでいいのか、というようなご不満もいろいろおありでしょうが。

 ハードカバーのごっつい全集ですが、このうちマンガ関連が4冊。別巻1「少年漫画集」、別巻3「少年漫画傑作集(一)」、別巻4「少年漫画傑作集(二)」、資料編1「スピード太郎」です。内容は以下のとおり。

・別巻1「少年漫画集」:1988年
  織田小星/東風人(樺島勝一)「正チヤンの冒険」
  山田みのる「忍術漫画」
  宮尾しげを「かるとびかるすけ(軽飛軽助)」
  藤井一郎「活動漫画ロイドの冒険」
  巌谷小波/岡本帰一「木兎小僧一代記」
  武井武雄「くるみ太郎」
  横山隆一/小山内龍「新イソップ物語」
  初山滋「ペコポンポン」
  武井武雄「ハツメイハッチャン」
  島田啓三「ネコ七先生」
  大城のぼる「汽車旅行」

 「正チヤンの冒険」は、カラー版の「お伽 正チヤンの冒険」の復刻が少しだけ。2003年小学館クリエイティブ発行の復刻版でも「正チヤン」のごく一部のエピソードしか読めないのですが、この本では小学館クリエイティブ版には収録されなかった「ウサギ」「ヒナマツリ」「オモチヤノクニ」が読めます。

 「かるとびかるすけ」は全編の復刻。この本で最も多くのページがさかれています。宮尾しげをの奇想が楽しい。一部しか読んだことのない「団子串助漫遊記」もこんな感じのものだったのでしょう。

 「ネコ七先生」はフェリックスそっくりのネコが主人公。島田啓三は、一種ポップな感じの、ほんとにコドモマンガらしい絵を描きます。

 大城のぼるは、「火星探検」の復刻が晶文社から1980年、それに続く復刻が1988年のこの「汽車旅行」でした。元になった本は、松本零士提供ですから、のちの2005年に小学館クリエイティブ発行の復刻版と同じものなのかな。ヨゴレとかの位置がそっくりです。

 ただし印刷の色調がかなりちがってて、小学館クリエイティブ版の毒々しい感じのカラーより、かなりおとなしい色です。大きく違うのは、見開き2ページのとき、本のノドの部分、さらに両側の外の部分の絵が切れてしまってること。小学館クリエイティブ版は、ここもしっかり見えますから、ここ10年で復刻技術の進歩があったのでしょう。

・別巻3「少年漫画傑作集(一)」:1993年
  大城のぼる「愉快な探検隊」
  謝花凡太郎「まんが忠臣蔵」
  芳賀たかし「人類物語・坊やの密林征服」
  野村胡堂/大田雅光「太郎の旅・月世界探検」

 「愉快な探検隊」を読むと、大城のぼるが田河水泡「のらくろ」のエピゴーネンから始まったことがよくわかります。主人公のペット「ブル君」は、「のらくろ」に出てくるブル連隊長にそっくり。

 でもそれを言うなら、謝花凡太郎の「まんが忠臣蔵」も動物たちが忠臣蔵を演じてるのですが、とくに犬は「のらくろ」そっくり。

 芳賀たかしの「坊やの密林征服」は、最近創風社から刊行された「愉快な子熊/坊やの密林征服」という復刻本にも収録されました。さらに続いて「ぼくらの燈台/五少年漂流記」という復刻もあります。

・別巻4「少年漫画傑作集(二)」:1993年
  新関青花「象さん豆日記」
  新関青花「仲よし日記帳」
  花野原芳明「コグモの冒険」
  花野原芳明「でっぷり船長の冒険」

 今、普通に読める新関青花(健之助)は、この本だけでしょう。戦後も「かば大王さま」で有名ですが、なんせやたらとうまい絵を描くひとで、内容ものんびり。古典的コドモマンガの完成形とも言えるのじゃないかしら。

・資料編1:宍戸左行「スピード太郎」:1988年

 資料編1とありますが2は存在しません。大判、布張り、箱入り、上質紙オールカラーの豪華な復刻版。

 おどろくべきは、今回ネットで調べてみると、なんとこの全集、とっくに絶版と思っていたら、今でもほとんどが新刊で手にはいるらしいじゃないですか。お値段がアレなのがちょっとアレですが。

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April 14, 2006

書庫はあなたをシアワセにはしない

 自分の家を持つ以前、「書庫」「書斎」という言葉を見かけるたび、「いいなあ…」と遠い目をしていたあのころ。

 かつて転勤をくりかえしていて社宅生活が長かったので、蔵書(ほとんどマンガ)は全部貸しコンテナのトランクルームに押し込んでました。そして今、それなりの広さの書庫があるわけですが、これが素敵な生活とは言いがたい。書庫はあなたをシアワセにはしてくれません。

 書庫は整理されていてこそ書庫となるのです。一度ゆかに本を置き始めると、もうダメです。これでは単なる物置。上下に伸び続ける雑多な本の山々から、求めるものを探すのがいかにタイヘンか。

 居間のソファにちょっと置いてた本が、帰宅してみると同居人の手で書庫に放り込まれている。勝手に移動させるなよ、ひとが来たからしょうがないでしょ、どこに置いたんだよ、あのあたりよ、と掘ってみても出てこない。あんなふうに書庫のゆかに置いたらわかんなくなっちゃうじゃないかよ、だったら居間のあちこちにアリヅカみたいに本を置くなっ、と家庭不和の原因にもなります。

 さらに書庫には冷暖房をまったく装備しなかったおかげで、夏暑く、冬寒い。整理のために部屋にはいるるのもなかなか苦痛です。整理といっても、すでに蔵書量が書棚のスペースをこえているのがわかっているので、右のものを左に移動させるだけで、整理といっても限界があります。

 そして恐ろしいのが地震。もし書庫にはいってたときに地震がくれば、これはもう確実に死の危険が。

 書庫をお考えのかたがたに申し上げておきますが、蔵書は増えます。それこそ無限に増えます。そして書庫のスペースは有限。あなたが京極夏彦でもない限り、いかに書庫が広くとも、蔵書というのは「必ず」収納能力をこえて存在するものなのです。

 知り合いに、本は読み終われば「すべて」ブックオフに売るという剛の者がおりますが、このイサギヨサがうらやましい。いつも家の中はすっきり。物欲を捨ててこそ、快適な生活が。

 こんな本、おそらく二度と読むこともないだろう、いっそ思いきって捨てたり売ったりしようかしら。ああでも、あれもこれももしかするともう一回読むかもしれないし(そんなことは決してないのですが)。

 ときどき本に埋もれて生活しておられる蔵書家のかたの住居が紹介されることがありますが、さすがにあそこまでの根性はありません。ならばいずれ本を捨てなきゃいけない日が来るのは明らか。でも捨てられない=たんに優柔不断なのですねえ。

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April 13, 2006

金田一少年のファッションセンス

 金田一くん、まあこれまでも学校の制服以外はちょっとどうかと思われる服を着ているオトコノコではありましたが、先日ひさしぶりに刊行された「金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人(上下)」事件では、ずっと変わったネックレスをつけておりました。

 あらら、これってプロ野球選手がつけてるのをときどき見かける、チタンやらゲルマニウムやらの健康ネックレス? さすがに金田一くんも夜寝るときははずしてたみたいですが。

 いやね、生体電流がどうのこうの、信じてる人もいっぱいいらっしゃるのでしょうけど、これってかつての紅茶キノコみたいなものでしょ。英語サイトで「チタン」「ゲルマニウム」「ネックレス、ブレスレット」「健康」で検索すると、「日本では健康に良いと信じられている」って、まるきりお守りか呪物の扱いです。

 PubMedというでっかい医学系論文データベースや、雑誌「Nature」のサイトでいろいろ検索ができます。チタン、ゲルマニウムのキーワードでどんな論文が出てくるか、金田一くんも、ちょっと調べてみられてはいかかでしょうか。

 イワシの頭もなんとやら、プラセボの意味もあるでしょう。ネックレスやブレスレットを好きでつけておられるかたに何を言うつもりもありませんが、論理が支配するはずのミステリ世界の主人公、探偵として、これ、どうよ。

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April 11, 2006

手塚プロ社長の「手塚治虫について」

 「マンガ狂時代」経由で教えていただいた「手塚プロ松谷社長が語る手塚秘話」をネット上で読みました。

 日本財団といえば、競艇収益がらみでなーんかアヤシゲ? なんて思っちゃうわけですが、その下部組織として東京財団というのがありまして、こっちはまた、マンガ方面でいろいろ活動してます。

 TVアニメ「モンキーターン」を制作したり、マンガ・アニメ評論文コンテストとかもやってますが、このひとつとして「マンガ・アニメ学術的研究プロジェクト」という活動があります。

 「マンガ・アニメの根本を多様な視点(思想哲学、歴史伝統、分野テーマ、脳機能)から考察し学術的裏付けを構築」するのが目的らしいのですが、これってクローズドの研究会なのかな。

 けっこう面白そうなタイトルがならんでます。2005年の6月に開催された会が、

マンガ・アニメ学術的研究会」第2回研究会(2005年6月14日)「手塚治虫について 」/松谷孝征((株)手塚プロダクション社長)

でして、松谷社長の話がこれがまたいろいろと興味深い。

 「のたり松太郎」が始まるときのちばてつやの原稿料が、ページ3万円。これはちばてつやの講談社から小学館への引越しでしたから、当時の最高額でしょう。そのころ手塚治虫がページ9000円、なんて話はここじゃないと読めません。

 興味あるかたはご一読を。

 と紹介したものの、以下のような文章を読むと、多くのひとに読んでもらおうという気があるのかどうか、ちょっと疑問が出てきます。とくに最後の一文が意味不明。「一切の金銭的負担または掲載に対する不利益がないサイト」ってどういう意味ざんしょ。リンクすると連絡しなきゃいけないのかなあ。なんかお役所みたいだな。今回は連絡しないままにしておきますが、あっちから何かアクションがあるかしら。

TKFDサイトに対するリンクは原則として自由です。事前の連絡は必要ありませんが、リンクを行った場合は、リンク元のURLをga@tkfd.or.jpまでご連絡ください。
但し、以下のようなサイトからのリンクは固くお断りするとともに、リンクの削除をお願いすることがありますので、予めご了承ください。
・ 東京財団への誹謗中傷や信用を毀損する内容を含むサイト
・ 法令や公序良俗に反する違法な(可能性を有する)内容を含むサイト、またはそうした内容を活動目的とする(可能性を有する)団体のサイト
・ 東京財団に一切の金銭的負担または掲載に対する不利益がないサイト

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April 08, 2006

偉大なる「美味しんぼ」フォーマット

 大河原遁「王様の仕立て屋~サルト・フィニート~」を読みながら、「美味しんぼ」の成り立ちについて考えていました。

 では、その設定とはいかなるものか。

1)作品としての成り立ち

1-1)読切連作である。
1-2)あるテーマについてのウンチクが語られ、読者は知識を得ることができる。
1-3)ウンチクで事件、問題が解決される。
1-4)勝負、対決がある。

2)主人公像

2-1)主人公はあるテーマについて知識が豊富である。
2-2)主人公はあるテーマについての特殊技能を持っている。

 さて、「美味しんぼ」の先行作品から考えてみます。

 読切連作でウンチク、となれば、まず思い浮かぶのがさいとう・たかを「ゴルゴ13」(1968年連載開始)です。別にゴルゴがウンチクを語るわけではないのですが、世界各国を舞台にした結果、国際情勢をマンガで知ることができるようになりました。

 そして、そのゴルゴから直接影響を受けたと思われるのが、手塚治虫「ブラック・ジャック」(1973年連載開始)です。これも読切連作でウンチク。ブラック・ジャックはみずから医学ネタのウンチクを開示してくれます。

 さらにこのふたりが似ているのは、その主人公設定。一匹狼。アウトロー。天才的な技術。法外な報酬。謎めいた過去。世間の常識とは外れた価値観。でも、もしかしたら人情家かもしれないと思わせる。

 この二作品、ゴルゴとブラック・ジャックこそ、「美味しんぼ」の父と母であると考えています。ともに(1-1)と(1-2)を満たしていますし、さらに天才的スナイパーと天才的外科医ですから、主人公像として(2-2)と(2-4)の項目を満たします。

 ただし、二者とも問題の解決はウンチクではなく、天才的な技術によってなされていました。そこへ1983年登場した「美味しんぼ」が、新たな要素を付け加えました。この世界ではウンチクこそが問題を解決します。(1-3)が「美味しんぼ」フォーマットの中心となる設定です。

 「美味しんぼ」の世界では、技術も大切ではありますが、最終的な問題の解決は、料理の味よりも(当然マンガでは味は表現できません)、知識とウンチクと弁舌によってなされます。読者は、主人公が最後にぺらぺらしゃべるのを待っている。あなたはゴルゴやブラック・ジャックには到底なれませんが、努力すれば山岡史郎になら、なれるかもしれない。

 さらに(1-4)の料理勝負が加わります。これは「庖丁人味平」などで繰り返された手法でした。かつては、珍奇なアイデアで驚かせたほうが勝ち、みたいなノリでしたが、それをオトナ読者向けに、ちゃんと正しい(と思わせる)知識で理論武装した形で提出したのが、新しい。古い皮袋に新しい酒を。

 これで「美味しんぼ」フォーマットのできあがり。「美味しんぼ」の設定がいかに完成されたものであるかは、そのフォロワーの多さが物語っています。つまり、マネがしやすい。「料理」のウンチクを他のものに取り替えるだけで、マンガとして成り立ってしまうのです。

 子ども向けには(1-4)の勝負の要素を大きくする。オトナ向けには(1-3)の事件、問題を人情話系でまとめる。もちろん、ウンチクでもって読者に知識を提供するのが前提となります。

 「美味しんぼ」の偉大な点は、作品そのものの完成度より、このフォーマットを作り上げたことじゃないかしら。

 このフォーマットを使えば、けっこうそれなりのストーリーができそうな気になっちゃいます。問題は、どのジャンルのウンチクであるか、という点。料理、おしゃれ、美術、音楽、金融、裁判、格闘技、勉強、水商売、なんでもこいだー。

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April 06, 2006

ゆるゆるの楽しさ「王様の仕立て屋」

 第10回手塚治虫文化賞のノミネート作品が発表になってます(以下著者アイウエオ順)。

・失踪日記:吾妻ひでお
・働きマン:安野モヨコ
・リトル・フォレスト:五十嵐大介
・もやしもん:石川雅之
・リアル:井上雄彦
・ヒストリエ:岩明均
・王様の仕立て屋~サルト・フィニート~:大河原遁
・団地ともお:小田扉
・のだめカンタービレ:二ノ宮知子
・NANA:矢沢あい
・イヴの眠り:吉田秋生

 そうそうたるメンバーの中で、はっきり言って意外だったのが、大河原遁「王様の仕立て屋~サルト・フィニート~」です。スーパージャンプ連載のこの作品、楽しく読めるのは知ってましたが、賞の候補となるとは。これはびっくり。さっそく既刊九巻を買ってきました。

 主人公は、イタリアはナポリ在住の仕立て職人、日本人のオリベ・ユウ。彼がウンチクを語りながら天才的なスーツの仕立ての腕を発揮して、いろんな事件・問題(多くは人情話系)を解決します。

 ってこれ、「美味しんぼ」以来、あちこちでデフォルトとなったウンチクマンガの設定です。ときどき仕立て勝負もあったりして。「美味しんぼ」フォーマットは破綻なく面白くすることができて、偉大だなあ。

 絵はゆるゆるです。連載第1回のカラーページ、キャプションで「サンタ・マリア・デッレ・アニメ教会」(実在するらしい)とあるのに、何やらわからん建物の壁が描いてあるところから脱力。

 見開き2ページの多くのコマがあっても、背景がヒトコマも描かれていない箇所が、どれほどあるか。背景の変わりにバックの宙に浮かぶのは、ウズマキやらバッテンやらイチゴのスクリーントーン。

 広い空白。角度ですごく変化する登場人物の顔。著者はうまく描こうという意欲を放棄しています。

 主人公は、最初登場したとき、一匹狼・無頼・酒飲み・伝法な口調・法外な報酬・実は人情家・正義漢・博識・天才的な腕、と、笑わせてくれるくらい典型的でした(書けば書くほど、酒飲み以外はブラック・ジャック、一匹狼と法外な報酬を除けば山岡史郎だなあ)。

 絵のゆるさに比例したのか、ストーリーもぐずぐずに。

 ナポリ服飾業界の敵として登場した企業家の若き6人の女性は、いつのまにやらコケまくりスベりまくり。靴作り職人をめざすはずのリハツなイタリア少年は、落語を一席うかがうように。主人公のライバルとなるべく登場した天才少女は、メイド服でお給仕。伯爵家の令嬢は日本でタイヤキかじってる。

 3巻あたりでは、「俺は今」「猛烈に感冒しているっ」というダジャレを1ページ使ってやってて、1巻とは別のマンガのよう。

 ところが、このマンガ、このゆるゆるがいいんですよ。あわせて主人公も、ボケるわツッコむわ。いつのまにやら、ウンチクと人情話もあるコメディに変化してしまいました。「こち亀」系?

 イタリア、イギリス、日本と世界を駆け巡ってるのに、スケールが大きくなるかというとそんなことはなく、なにやらご近所商店街物語の雰囲気。国際派ビジネスマンガのはずだったのに、こっちのほうがお気楽で楽しいなっと。

 9巻からは会社のお家騒動という(ちょっとシビアな)新展開のようで、もとの路線に戻しつつあるのかな。基本のウンチクさえおさえておけば、コメカミに汗かかずに、もっとゆるゆるでもいいんじゃないかしら。

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April 03, 2006

「金魚屋古書店」と「ルパン三世」単行本

 「金魚屋古書店」シリーズは、古書マンガと人情話をくっつける作劇にどうしてもノリきれず、ウンチクマンガとして読むことにしてるんですが、今回の小学館版3巻でちょっと気になったこと。

 第18話「金魚屋日記〈山吹の巻〉」に、こういうシーンが出てきます。古本マンガのセドリを商売にしてる男・オカドメが、愛の告白のため、小篠あゆさんにマンガ本を手渡す。

小篠 俺のきもちだ。

うわ~!! 『ルパン三世』の初版美品だ!!
こういう人気作品の一巻の初・美って すごく入手が難しいんだよね~!!

 そして欄外に注釈が。

※『ルパン三世』:モンキー・パンチ著。'67年~「週刊漫画アクション」(双葉社)。単行本は'68年発刊。'72年アニメ化、'74年実写化もされた、誰もが知っている名作。

 ちょっと待ってくれよー。確かにそれぞれの文章にマチガイはありませんが、こう並べて書かれるとマズくないかい。

 この場面で登場人物が手にしている「ルパン三世」の単行本は、双葉社が出した新書版のパワァコミックス版の第1巻です。でもこれは、欄外に書かれてる1968年に刊行されたものじゃなくて、1974年に刊行されたもの。

 「ルパン三世」は、漫画アクションの創刊号(1967年)から連載され、それまで見たこともないような作風で人気を得ます。モンキー・パンチはアクションの表紙も描いてましたしね。ところが、単行本という点では冷遇されてました。

 ルパンの初単行本は、連載開始の翌1968年、「漫画アクションコミックス」という形で2冊発売されましたが、実はこれはB5版平綴じ、いわゆる総集編でした。

 双葉社はアクションを創刊した1967年から「ACTION COMICS」というB6単行本を刊行し始め、「子連れ狼」や「高校生無頼控」を大ヒットさせるのですが、「ルパン三世」がB6単行本で刊行されることはありませんでした。なぜなんだろ。

 双葉社が1969年から1970年にかけて刊行したハードカバー全12巻の「現代コミック」という選集がありますが、その第7巻「棚下照生/モンキー・パンチ集」にルパン三世が7作収録され、そのころルパンで手に入るものといえば、これくらいしかなかったのですよ。

 「ルパン三世」の最初の雑誌連載は、1967年から1969年まで。その後、1971年10月から半年間のTVアニメ放映に合わせる形で、ほぼその時期に一致して8ヵ月だけ雑誌に再連載されました。でも、この時期も単行本は、なし。

 1974年に目黒祐樹主演(田中邦衛が次元で、伊藤四郎が銭形だよ)の映画「ルパン三世 念力珍作戦」の公開に先立って、「漫画アクション増刊ルパン三世総集編」の形で1973年に3冊の総集編が刊行されています。

 そしてやっと1974年9月、双葉社が新書版コミックスとして始めた「パワァ コミックス」で、「ルパン三世」が刊行されることになりました。ついに、という感じでしたね。なんと連載開始から、7年もたってから。初期から単行本が刊行されていた「子連れ狼」と比べて、この差はなに。

 1974年は「少年サンデーコミックス」が開始された年でもあります。小学館は少年向けの自社作品を多く持っていましたが、双葉社はそうじゃなかった。

 初期の双葉社パワァコミックスは、「ルパン三世」以外にこんなラインナップでした。

・横山光輝/辻真先「戦国獅子伝」
・かざま鋭二/佐々木守「野球魂」
・手塚治虫「アラバスター」…は広告だけで、実際に発売されたのは「鬼丸大将」
・石森章太郎「フラッシュZ」
・赤塚不二夫「チビ太」
・あだち充/佐々木守「リトルボーイ」
・バロン吉元「黒い鷲」

 うーむ、後発の新書版はなかなか苦しそうだ。双葉社が「少年アクション」を創刊するのは1975年です。残念ながらその後1年間しか続きませんでしたが。

 TVアニメのほうのルパン三世は、再放送が繰り返されることで人気が出て、1977年10月から第2期(いわゆる赤ルパン)の放映が始まります。そして雑誌にも1977年6月から「新ルパン三世」として連載が再開されました。

 雑誌連載の初期1967年ごろのルパンは、二色ページが多く、モノクロの単行本にすると、どうしても、かなり読みにくいものになってしまってます。パワァコミックス版の「ルパン三世」もそうでした。その意味ではきっと二色ページもあったはずの、1968年漫画アクションコミックス版のほうが読みやすいんじゃないかな(持ってませんが)。

 「金魚屋古書店」ぐらいの何でも揃う古本屋なら、「ルパン三世」も当然、1968年漫画アクションコミックス版の在庫ぐらい持ってるはず。そこに出入りしてるセドリのオカドメっ、あんたも女の子にプレゼントして愛を告白するんだから、レア物のそっちを探し出してこんかーいっ。

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April 02, 2006

辞典としても使えます「漫画家誕生 169人の漫画道」

 うわあ、すっげえ。

 中野渡淳一「漫画家誕生 169人の漫画道」という本が発売されました。1999年から2003年にかけて地方紙の信濃毎日新聞に連載された、マンガ家のインタビュー集。

 なにがスゴイかというと、これが週イチ連載だったこと。

 週一回のインタビューのため、毎日毎日毎日、アポを取って下調べをしてマンガを読んで文章を書いて。しかもスタッフは自分ひとりしかおらず写真も兼ねる。想像するだけで、これはタイヘン。

 この生活が丸4年続いたというのだから、まさに著者は超人というか頭と体コワさないかと心配するくらいの仕事量です。お疲れ様でございました。

 内容は、ひとりぶんが単行本として見開き2ページ。作品の1ページ紹介と著者近影とインタビューをまとめたもの。ちょっと短めなのはしょうがないけど、これがずらずら続くと壮観。

 わたしが知ってる作家も知らない作家も、著者の愛にあふれた文章で紹介されていて、ああ読みたくなるじゃないですか。いやー、いい本です。

 表紙カバーは、安彦麻理絵の仕事場の写真らしいのですが、けっこう整頓されててびっくり。

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