苦悩の人、江口寿史
帯のコピーに「クズの日記だ」と書いてあるのもスゴイですが、「江口寿史の正直日記」を読みました。
ネット上で1999年から2002年に公開されてたものですが、まとめて読むと、いやー苦悩している。描きたい、が、描けない。で、酒を飲む。描いている、が、進まない。で、飲む。進んでも、飲む。でも著者にはギャグマンガ家としての矜持がありますから、暗くならずに笑わせてくれていて、文章にも芸があります。
いちばん面白いのが(って、著者にとっては悲惨なんでしょうが)、アクションに「イレギュラー」を連載してた当時の原作者、K・M氏から、繰り返し説教されるところ。連載1回目の原作ができたのが2002年の1月、作画の本格的開始が4月28日で、1回目の16ページの完成が5月26日。うわぁ。
週刊連載が開始されてからは、
うわああああ〜っ!
→楽しさも苦しさもまだ、これから
→うわああああ〜っ!
→なんとかやっていけそうですよ
→どわあああああああ〜〜〜〜〜〜っ!
→ヤレル! ヤライデカ!
→しかしなんだかノドと鼻の調子が悪い
→下描きの進みが悪い
→間に合わなかった
→途中で投げる事は絶対しないつもりなので
→46にもなってこんな事毎週やってたら死ぬよ?
→落としてしまいました
このジェットコースターみたいな気分の変動は、カラダとココロに悪そうだなあ。週刊連載続けてる作家のヒトは超人ですね。
この本ではこの作品の連載中止の顛末は書かれていませんが、読んでみたいものです。
江口寿史、泉晴紀、田村信の3人が、山上たつひこのアシスタントをしたハナシを描いた17ページマンガ付き。久しぶりに文藝別冊の江口寿史特集号をひっぱり出して、山上たつひこ×江口寿史の対談を読み直してしまいました。
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