年寄り向けマンガ
やっと手に入れた「このマンガを読め!2006」を読んでいて、何がビックリしたと言って、巻末の「2005年回顧座談会」。中野晴行によると、「ヤングジャンプ」の平均読者年齢が29歳(!)。でもって、「ヤングマガジン」が31歳で、「スピリッツ」が35歳。
「マガジン」読者層のピークは17歳と31歳の二峰性。
なんじゃこりゃー。これって、高年齢層がマンガを読む、というより、若い世代がマンガなんか読まないってことじゃないのか。これから人口自然減の時代が来ることもありますし、マンガのような年少者を大きな市場とするジャンルは、今後ますます苦しい。
当然コドモ向けのマンガのビッグヒットを作ろうとつとめるのが正しい道なのでしょうが、高度に進歩した日本マンガにとっては、これはかえってムズカシイのかもしれません。
むしろ、高齢者向けのマンガを作るほうが簡単かも。わたしのような年寄り読者には、そっちのほうが読んでみたいジャンルではあるのですけどね。そんなマンガばっかり出てくると、コドモはますますマンガ離れしちゃうかもしれませんが。
おそらく今後、さらに高年齢の読者を対象にしたマンガが、多く作られることになるでしょうし、すぐれたものが出現するでしょう、というのがわたしの2006年の無責任な予想であります。
Comments
みなさまコメントありがとうございます。テーマから考えますと、わたしとしては、年寄り向けマンガは常にメメント・モリを意識してるもの、みたいなイメージを持ってます。具体例がぱっと出てきませんが。
Posted by: 漫棚通信 | December 30, 2005 03:27 PM
うーん。以前「ビッグコミックゴールド」がまさに高齢者むけとして出され休刊に追い込まれていましたが、単純に年齢層があがっていくだけなら、初期手塚から『あしたのジョー』あたりに燃えた世代に、現在でも漫画マーケットがあっていいはずなのですが、何もない。
団塊世代やそれ以前の世代は「漫画を卒業する」というライフスタイルをもった世代で、現在の20代後半〜30代は「漫画を生涯の友とする」という仮説はどうでしょうか。
いまの子どもたちは、メディアミックスしたものなら読むので、この子たちが老人になっても、メディアミックスした漫画なら読む、とか。だめか。
Posted by: 紙屋研究所 | December 30, 2005 10:33 AM
今日、Amazonで注文した「アンダーカレント」が届く。
驚いた。まさに大人漫画。3-40代以上向け。
キャロル・リードの最後の監督作品「フォロー・ミー」を想い出した。
年の瀬、孤独感の募る今日この頃、これもシンクロニシティというべきか。
2005年11月発売で既に2版。
ううむ。今宵、読み返そう。
Posted by: トロ~ロ | December 29, 2005 07:05 PM
最近増えている時代劇雑誌などは高年齢層向けの一環なのではないでしょうか。
あと、2世漫画が多いのも。
Posted by: soorce | December 28, 2005 11:03 PM
今年の衆議院議員選挙の有権者数は1億人を越えていました。
全人口が1億2600万人ですから、20歳以上人口が約80%を占めるという事です。
デパートなどのマーケティングも熟年層へのアッピールを考えています。
我々は、いま「日本沈没」の始まりに立ち会っているのです。
政府は「少子高齢化」の責任逃れに終始しておりますが、こんな世に誰がした、と考えざるを得ません。
こういう深刻な国内情勢に目を向けて欲しくないゆえ、わざわざ靖国へ参拝し外敵を演出しているのじゃないでしょうか。
Posted by: トロ~ロ | December 28, 2005 01:46 PM