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November 05, 2005

この吸血鬼マンガはあまり恐くなかった

 吸血鬼の登場するアメコミ・シリーズの日本語版が発売されてます。スティーブ・ナイルズ/ベン・テンプルスミスの「30デイズ・ナイト 30 DAYS OF NIGHT」と続編の「ダーク・デイズ DARK DAYS」。3作目の「30デイズ・ナイト:リターン・トゥ・バロウ」も、もうすぐ発売らしい。

 絵は、以前ペイント系といわれていたタッチに近く、いわゆるマンガの絵じゃありません。血が飛び散り、肉が裂けて、おどろおどろしいのに、それなりに美しい。

 「30デイズ・ナイト」の舞台は、アラスカ最北端の町、バロウ。これから30日間、太陽が沈んだままの季節となる。白夜の逆ですね。そこに吸血鬼たちが団体で襲いかかるというお話。

 B級ホラーの味わいです。いかにも映画になりそう。吸血鬼がいっぱい徘徊してる光景は、ほとんどゾンビと変わりません。とくにこの作品での吸血鬼は、血を吸うというより人肉食べてるみたいだし、頭を破壊されると死んじゃうし、「感染」で仲間を増やしてるみたいだし、まるきりゾンビ。

 吸血鬼が登場する作品なら、いかにして吸血鬼を退治するかがお話のポイントですが、この作品では、あるアイデアを使ったあと、ラストで吸血鬼のボスと、主人公の保安官のどつきあいがクライマックス。いやー、古典的アメコミ・スーパーヒーローものを思い出しました。

 続編の「ダーク・デイズ」の舞台はロサンゼルス、前作の生き残りの女性と、吸血鬼のボスの妻との戦いですが、人間に協力する吸血鬼ヒーローというのが登場します。これもアメコミにありそうな設定だなあ。

 絵はブキミ。血も出る。死人もいっぱい。確かにホラーなんですが、引っ掛かりがいろいろあって、何か、違うような気が。どうもひたすら恐がらせようというんじゃなくて、愛とか感動も描こうとしてる。このあたり娯楽映画的なシナリオで、日本の恐怖マンガとは考え方が違うみたいです。

 もっと純粋にコワがらせてもらいたかった。

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