お値段のモンダイ
このたび復刻版が出た、雑誌「少年」1962年4月号の当時の定価は160円でした。
「少年」復刻版に付いてくる小冊子には、「少年」のお値段は書いてないのですが、「少年」のライバルだった「少年画報」のことを書いた「少年画報大全」に、雑誌のお値段が細かく記載してあります。
「少年画報」の前身「冒険活劇文庫」1948年創刊号が35円。1953年には100円。マンガ週刊誌が創刊された1959年には120円。
「少年マガジン」創刊号の定価が40円、「少年サンデー」創刊号が30円。マガジンは付録があっての値段でしたから、この後すぐ30円となります。ページ数が、月刊誌の1/3だったとはいえ、初期のマンガ週刊誌は、月刊誌の1/4のお値段。読者を獲得するために、相当思い切って安くしたのじゃないかしら。
1962年の「少年画報」は、「少年」と同じ160円でした。
「少年」が休刊した1968年に、「少年画報」は200円。同時期に「少年マガジン」は100万部雑誌となっていましたが、定価60円。このときでも週刊誌は月刊誌の1/3以下の値段で、まだまだ安いなあ。1968年に発行された新書版の「巨人の星」7巻は220円で、掲載されていた週刊誌よりはかなり高く、月刊誌よりもまだ高かった。
現在、「少年」に似た形態の、付録がいっぱいの月刊誌といえば、「ちゃお」とか「なかよし」ですが、「ちゃお」の今月号が420円。「なかよし」が440円。今発売中の「少年マガジン」240円、「少年ジャンプ」230円。ベストセラーの新書版「ワンピース」39巻が390円。
1959年を起点にして考えると、月刊誌が120円→430円で、3.5倍。週刊誌が30円→235円で、7.8倍。
1968年を基点にすると、月刊誌200円→430円で、2.2倍。週刊誌60円→235円で、3.9倍。新書版単行本が220円→390円で、1.8倍。
月刊誌や単行本の価格上昇が抑えられ、週刊誌がはねあがってます。というより、以前の週刊誌が安すぎたのかしら。このあたり、他の物価との兼ね合いがありますから、判断がなかなか難しい。
ただ、これだけ雑誌と単行本の価格が接近しますと、雑誌を買わずに単行本だけ買う層(←わたしも含めて)が増えてきても、しょうがないような気がします。
Comments
前回のコメントの後に探してみて、もう一寸古いのも見つけましたんでご報告まで
1969年:0.284円(80円/282ページ)
1972年:0.314円(100円/318ページ)
また、こちらのページに単行本の価格が載ってるんですが
http://www.angel.ne.jp/~wata/comiclist/kc1.htm
http://www.angel.ne.jp/~wata/comiclist/kc2.htm
やっぱり値段が大きく動いたのはオイルショックの影響かなあ、とか。
Posted by: soorce | November 12, 2005 08:11 PM
コメントありがとうございます。
>竜馬さま
確かに社会人で雑誌ばっかり買ってる人はいますね。さすがにメジャーどころを全部押さえてる人はわたしのまわりにはいませんが、そういう人たちから教えてもらう注目マンガも、実は多くて、彼らは読み手としても情報ソースとしてもあなどりがたい。
> soorceさま
おお、少なくとも1970年代半ば以降、30年間マンガ週刊誌のページ単価が同じ、というのは意外でした。出版社側にいろんな戦略もありそうです。
Posted by: 漫棚通信 | November 08, 2005 11:35 PM
ところが、「雑誌の1ページあたりの価格」というのは1970年代から殆ど変わってなかったりするんですね。
週刊少年マガジンを例にすれば、(まあ、その年のある号は、というだけなんですが)
1976年:0.5円/P(150円/300ページ)
1983年:0.517円(180円/348ページ)
1995年:0.505円(210円/416ページ)
2005年:0.5円/P(240円/480ページ)
とほとんど変わってないんですよ。
その辺、判断の難しいところであります。
具体的なデータは[古雑誌]tagでもあんまりまとまってないんですがこの辺です
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20050602#p3
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20050603#p3
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20050626#p2
Posted by: soorce | November 08, 2005 10:46 PM
こんにちは。
私もあまり雑誌を買わずに単行本ばかり買っているタイプですが、周囲では逆の人、つまり週刊誌や月刊誌を買って単行本を買わない人の方が圧倒的に大多数です。しかも雑誌を買う人はジャンプ、サンデー、マガジン、ヤングxxにビックコミックxx等等、ほとんど全ての(メジャーな)週刊誌を買っている人が少なくありません。
その人たちはいわゆるマンガ好き、なんでしょうけど、あまりマンガオタクって感じでもない、普通のサラリーマン層です。通勤の行き帰り、毎日違う漫画週刊誌を読んでいるわけです。
そういう人たちは、自称漫画好き(オタク)な私よりも遙かに多くの作品を読んでいます。全ての単行本を買おうなんて、お金もさることながら、住宅事情が許しません。
そんな光景をみていると、彼らと自分と、本当にマンガオタクなのはどっちだろう?と考えてしまうことがあります。雑誌の値段が高くても、多くのマンガを見、そして読み捨てるという観点で言えば、雑誌の方がやはり効率的なのかもしれません。
Posted by: 竜馬 | November 08, 2005 12:36 PM