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November 10, 2005

豪華な同人誌「手塚治虫と6人」

 「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ 手塚治虫と6人」(平田昭吾・根本圭助・会津漫画研究会・共著、ブティック社)という本が発売されています。

 アマゾンの紹介文によると、

手塚につながる軌跡を追いながら、まぼろしの雑誌「冒険少年」「少年日本」と同時代の漫画出版文化をまとめた、戦後漫画史資料の集大成である。著者はともに手塚のマネージャーをつとめた人物であり、貴重な資料が満載。

 とありまして、版形はムックらしい。うーむ、版元はマンガ方面ではあまり知らないところだし、わたしの周囲の書店にはおそらく入荷しないだろうから、買うならネット通販か。ただし現物を見ずに、情報がきわめて少ない本を注文するのは、ちょっと勇気が必要です。お値段は、3619円とちょっとお高いですし。

 で、思いきって買ってみましたところ、わたしにとっては、アタリでした。

 著者の平田昭吾はもと手塚治虫のマネージャー。根本圭介は小松崎茂の弟子筋のイラストレーター。会津漫画研究会員は、白井義夫、大塚栄一、笹川ひろし。その他にも署名原稿として、池田憲章、長谷邦夫、横尾忠則、渡辺泰ら豪華メンバーが参加してます。

 手塚以外の「6人」とは、海野十三、小松崎茂、山川惣治、永松健夫、杉浦茂、横井福次郎です。構成としては、彼らの業績を紹介しながら、手塚治虫との関連を語る、というのが本来の流れのはずなんですが、それほどすっきり整理されているわけではありません。文章を書いてる人が多数なので、話はあっちこっちにふらふらと。巻頭から通読するような本じゃなさそうです。

 ただし、レアな雑誌や本の書影とか、マンガの1ページとかがいっぱい紹介されてまして、これは楽しい。文章書いてる人々も、それぞれ気合の入った長文で、いろいろな裏話もイッパイ。たとえば、手塚治虫と、井上智の智プロの関係など、この本で初めて知りました。

 こうしたエピソードとは別に、読みごたえがあるのが、手塚治虫に対する海野十三の影響を論じたところ。わたしは、海野十三は大人向けの小説しか読んでなくて、面白くないなあとずっと思ってた人間ですが、やっぱ海野十三は読んどかなきゃいけないかしら。勉強になります。

 豪華な同人誌みたいな本でしたけど、楽しめました。

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Comments

この本の企画の中心人物は会津漫画
研究会の白井さんというアマチュアの方
なんです。
彼は、戦後の少年誌の歴史を特集した
本を作りたく、ぼくには「漫画雑誌名鑑」の
なかのぼくの文章も再掲載させてほしいと
依頼してきました。

でも、その版元が何かのトラブルで、
変更されブティック社になった。
その間、ゲラが出たりしましたが
変更され、内容も人物中心のムックに
イメチェンされたのです。
ぼくの原稿が、雑誌回想になっているのは
名鑑の分を削除したせいで、これは残す~
となったと思われます。

本になるまで、3年くらいかかったはずです。
ぼくが書いてから2年でした。
アマチュアの企画者といしてはタイヘンな
気苦労があったと思います。でも画像が
多くてその分楽しめますね。

Posted by: 長谷邦夫 | November 14, 2005 10:52 PM

コメントありがとうございます。少年雑誌についての記事が多いのは、企画がそれから始まったからなんですね。海野十三の少年モノ読み始めてるんですが、小説なら古くても図書館にあります。でも絵物語の古いのはどうしようもなくて、古書価格50万円前後がアタリマエみたいで腰が抜けました。

Posted by: 漫棚通信 | November 15, 2005 05:07 PM

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