最近読んだマンガから
選んでいくつか書いてみますと。
コージィ城倉「おれはキャプテン」9巻も、ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」5巻も、1年生だけのチームが夏の県大会1回戦にのぞむという話ですが、前者が連載1回分で5試合やって敗退しちゃったの比べて、後者は1球1球ごとにいろんな人の心理描写があって、まだ1回戦3回表という展開です。
野球マンガは、こまかく描写しようとするといくらでもできることが経験上わかってますが、「おお振り」はとくにこまかい描写の連続。面白いのはけっこうなことですが、このペースで完結する日が来るのか。月刊連載だぞ。
こまかいといえば、山岸凉子「舞姫 テレプシコーラ」8巻。思いがけず大役をもらってしまった六花ちゃんの不安の日々を描く描く。これも8巻まるまる心理描写が続きます。悠揚せまらぬと言うのはこのことか。空美という少女が登場しなくなって、いつホラーマンガに変化するのかという、ドキドキ感はなくなりましたが。
岩明均「ヒストリエ」3巻。この人の画力のなさは明らかに欠点なのですが、それを十分おぎなうストーリー展開力。お話の中では、まだ、たいしたことが起こってるわけじゃないのに目が離せません。「面白くなりそうと思わせるチカラ」と言いましょうか。
現代洋子「おむかえまで8時間」はレポートマンガです。子供を保育園に預けている時間帯だけの取材、という制限がつきます。実は著者の少女マンガ家時代は知りません。(1)うら若き女性が(2)自分を偽悪的・露悪的に描く(3)取材・レポートマンガ、という意味ではサイバラ・フォロワーで、その中では優等生でしたが、かつてはコワレぐあいがやや小粒だったですかね。
この「おむかえまで8時間」では、著者も40の坂を越えすっかりオバサン化。肩の力の抜け具合がよろしく、お気楽度もアップ。地味に面白く、もしかすると、これまででベストの作品ではないかと。
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