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September 23, 2005

作者というキャラクター

 おそらく、全マンガ家の数だけ自画像があるはずで、その多くがマンガ内で作者というキャラクターとして、演技しているのじゃないでしょうか。

 手塚治虫は作者であり、かつ作中キャラクターでもありました。永井豪も作者であったり冷奴先生であったり。石森章太郎は、作者キャラの顔が一定してなかった印象があります。作品によって描きわけていたみたい。赤塚不二夫は、初期の縦長の目のキャラクターから、後期は細い目のリアルな似顔に変わってた。本宮ひろ志は作品内では自身のヒーローキャラクターそのままの外見だったような気が。

 現代では、西原理恵子のように、作者こそ最強キャラクターとして君臨する作品も存在します。吾妻ひでおもそうかな。

 いずれにしても、作品内に登場する時点で、現実の作者とは異なり演技しているわけですし、すでに造形がマンガだし。もし作者がホントに怒っているとしても、マンガに描かれてしまうと、作者というキャラクターが怒る演技をしている。文章で自分のことを書くとき以上に、マンガ内キャラクターと実際の作者の関係は複雑に思われます。

 内田春菊「私たちは繁殖している」は、最初、作者に限りなく近いけど架空のキャラクター「ジジ」が、妊娠・出産・育児を語る、という設定で開始されました。1巻目には「フィクションですよ、間違うなよ」という作者からのメッセージも書いてありました。

 ところが、巻が進むにしたがって、やっぱり作者自身の周辺エッセイマンガだよなーと思われるようになって、読者としては迷います。6巻ともなると、作者と舅のタタカイがリアルに描かれる展開に。

 しかし、6巻でも作者キャラはやはり「ジジ」です。フィクションなのだという設定を貫いています。

 「ほんとに建つのかな」という作品では、前半の主人公は「ジジ」、後半の主人公は「内田春菊」でした。連載誌が違うからこうなってるのですが、主人公以外のキャラは全員同じ。これは作者にとって、どう描きわけているのか。

 「同時に連載していてもオモムキがちがうもんです」という作者の言葉がありますが、やはり「ジジ」主人公の時は、4コマめで笑いでオチをつけようとしている。そのぶん、リアルな精神の流れとは違いやっぱりフィクション。この微妙な差は作者の内面では厳然として存在しているみたいです。

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Comments

こんばんは。
作者が漫画に出てくるって話だと、吼えろ(燃えろ)ペンを忘れる事が出来ません。実在の人物と混同するなって言うほうが無理ですよね…。まぁそこまで狙ってる表現なのでしょうが。

Posted by: 竜馬 | September 23, 2005 07:08 PM

赤塚不二夫マンガ版伝記を描いた
んですが、トキワ荘時代の似顔から
スタジオゼロ時代へと、変わるあたり
ちょっとヘンな感じで、困りました。

ぼく自身なども、最近は裸眼です。
最近の似顔を描く際に困るんですよ。

ぼくのかつてのマンガを知らない
若い層、学生さんにとっては特に。
70年代の自画像はもうマンガの
キャラとして割り切る方がいいのかも
知れません。
この辺のコトになると、確たる自己判断が
出来ませんね。

Posted by: 長谷邦夫 | September 24, 2005 09:26 AM

コメントありがとうございます。
>竜馬さま
吼えろペンはあいかわらず楽しい。作者はどのくらい炎尾燃は俺だっ、と考えながら描いてるんでしょう。マンガに対する姿勢はまるきり同じみたいですけど。
>長谷さま
赤塚氏の後期の自画像は実によくできていたと思います。作者の無頼なイメージと合わなくなった前期自画像をある日突然変更したというより、作品内に登場する作者の年令によって描きわけていたのでしょうか。あの絵で伝記を描かれると途中でキャラが変わってご苦労されたでしょう。マンガ版赤塚不二夫伝、期待しております。

Posted by: 漫棚通信 | September 24, 2005 09:20 PM

×燃えろペン
○燃えよペン

Posted by: . | September 29, 2005 03:06 AM

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