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August 14, 2005

これも読者限定マンガかな

 喜国雅彦+国樹由香「メフィストの漫画」は、講談社メフィストに連載されたマンガ中心に編集された本で、ミステリ読者「だけ」を対象にしているという、えらいこと偏った本です。わたし自身はある程度の日本人ミステリ作家は読んでるつもりなんで、とくに前半、喜国雅彦パートの「ミステリに至る病」はけらけら笑いながら読みましたが、これは非ミステリ読者にとって面白いのか。

 喜国と似たマンガを描く作家に、いしいひさいちがいますが、実際のところ、いしいのミステリパロディは本の内容を知らないとかなりキツイっす。ルース・レンデルを読んだことのない読者が、レンデルをネタにされても意味わからんでしょ。

 喜国雅彦でも、「乙一と乙葉夫婦説」ネタなどはこりゃキツかろ。さすがに永島慎二やらつげ義春やら福本伸行やらのパロディで、ミステリを知らなくても読ませようとしてるところが、芸です。ただ、読者によっては、すでに永島慎二を知りません。つげ義春パロディを読んでも、水木しげるでしょ、などと言われちゃう。

 で、この本、講談社とはいえ、「文芸図書第三出版部」という、ミステリ部署の担当で、マンガ編集部から出されてるわけじゃないんですね。ということは、マンガなみに売れなくても、ミステリ小説程度の発行部数でいいのかな。きわめて限られた読者を相手にするマンガの内容で、かつ売るほうもそれでいいと考えている。

 これからのマンガは、ビッグヒットを狙うのじゃなくて、小規模の読者相手の作品が増えていくのかしら。はやりの続編マンガやリメイクマンガも、原作品以上の読者を得られるとは考えていないでしょう。マンガがスキマ産業化していくのは熟成? 爛熟? 衰退?

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Comments

(ネタばれ注意)

 なんと、「月館の殺人」に次いでこの「メフィストの漫画」もお盆に読んでました。
 この手の専門誌の連載ものは読者は選ぶでしょうが、GB落ちは、一般読者でも大丈夫ですよね。それも沢山あります。(いわゆるたたみかけの笑い、笑いの基本ですな。)
 確かによく行く書店には、マイナー系、復刻系のコーナーがあり、そこで私はよく購入しています。平田先生の時代物や桑田次郎やいしかわじゅん先生の復刻物などがマイナー盛りだくさんであります。ちなみにいま迷っているのが、みなもと太郎の風雲児たちを集めるかどうかなのだ。
 多種多様の出版は、喜ばしいことだとは思います。まんがも高成長の時代は終わったのでしょうね。

Posted by: ラッキーゲラン | August 19, 2005 10:46 AM

本格ミステリはアメリカ的に言うと、マイナーなジャンルになるそうです。クーンツによると、ベストセラー作家になりたければ、ミステリを書いちゃダメだと。で、GB落ちってなんですか?

Posted by: 漫棚通信 | August 19, 2005 10:02 PM

GBについて。ホントにネタバレ注意

もし、これからまっさらな心でこの本を読んでみたい方は以下読まないで。(推理小説のトリックを書いている訳ではないけど、一応ギャグのオチを書いているので大層な物でもないけど。)

ホントにネタバレで、ジャイアントBBさんです。でも、コメントにあるようにたたみかけのギャグですので、数本続けて犯人はGB、被害者はGBとかで使っています。一時はやったジャイアントBさんのネタを応用しています。国民的ヒーローのジャイアントBさんですので、一般人のも受けると書いた次第です。

Posted by: ラッキーゲラン | August 22, 2005 05:41 PM

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