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August 18, 2005

「誰も寝てはならぬ」タイトルは適当に決まる

 モーニングの中で、サラ イネス「誰も寝てはならぬ」がどういう位置にあるマンガなのかよく知らないのですが、長期連載になってるから、それなりに支持されてるはずなんだよなあ。それにしては、単行本あまり見かけないし、「大阪豆ゴハン」は連載前半だけが文庫化されたあと、後半は放置されたままであります。

 彼女の描く、絵とセリフとナレーションが渾然一体となったお好み焼きのような人間観察マンガでは、何か劇的なことが起こるわけでもなく、ちょっと変わったヒトたちのちょっと変わったエピソードがスケッチされます。

 なぜかホリの深い顔の登場人物ばかりのタッチもあって、外国マンガの香りもあるのですが、全編、会話の中でオチのある大阪弁が間断なく流れており、いや、楽しい。こういうのが新しい時代のオトナマンガじゃないかと考えるのです。

 このタイトル「誰も寝てはならぬ Nessun dorma」に、何やら深遠な意味が隠されているのじゃないかと以前の記事で「トゥーランドット」のことを調べたりしてたんですが、あらめずらしや、著者のインタビューが「大阪芸術大学 大学漫画」2号(大阪芸術大学/小池書院)に載っております。

 これ、大阪芸大の学生が描いたマンガを中心に編集された雑誌ですが、それ以外にも、杉井ギサブロー・大月俊倫らアニメ制作者のインタビューや、永井豪の大学でのキャラクター講義なども載ってまして、500円ですがそこそこに読むところ多くてちょっと得した感じ。

 サラ イネスのインタビューでは、ペンネーム変更の理由とかも明かされます。で、「誰も寝てはならぬ」ですが、NHK名曲アルバムで流れてた曲から適当にいただいたタイトルだそうです。著者はこの曲、聴いたこともないんですと。ああっ、もうっ。

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Comments

そうでしたか。くそ。やられた。

Posted by: 紙屋研究所 | August 19, 2005 01:43 AM

 はじめまして。こちらはRSSリーダーで楽しく巡回させていただいております。

 先日、こちらも「大阪芸術大学 大学漫画」2号に掲載されていたサラ イネスさんの対談を読みました。デビュー当時のことも少し出ていましたが、彼女がサラ今市という名前で最初に投稿を始めた「AUTOSPORT」誌(三栄書房)の読者のモータースポーツイラスト投稿欄で、あの頃(1985年頃)、選者をつとめていたのが私でした。熱気やアイデア、面白さを優先していたため、サラさんの作品は、いつも上位に入れておりました。

 そのイラスト欄の担当をしていたのが、対談の中にも出てきた新卒で就職したばかりの女性編集者R嬢でした。サラ今市さんの作品に惚れ込んだR嬢は、「仕事として」読者ページのイラストを今市さんに発注するようになり、以後、毎号のように今市さんの作品が誌面を飾るようになりました。「モーニング」の編集者は、その作品に目をつけたのだと思います。

『大阪豆ごはん』の頃は、ときどき読んでいましたが、モータースポーツのファンだと余計に楽しめる二重構造(?)の作品になっていましたね。キャラクターの顔が(主に北欧系の)ラリードライバーの似顔絵になっていたりしたからです。

 編集者のR嬢は、当時、フランスにレース留学していた片山右京選手の日記のページの担当もしていましたが、それが縁で交際するようになり、やがて結婚。まもなくF1ドライバー夫人となり、いまは冒険家夫人として、ハラハラさせられ通しの日々を送っているようです。

Posted by: すがやみつる | August 19, 2005 03:25 PM

どっひゃー、コメントありがとうございます。
>紙屋研究所さま
でしょ。フツーやっぱりタイトルの意味を考えたりしますよねえ。
>すがやさま
こちらこそ愛読させていただいております。そんなところで投稿イラストの選者されてましたか。ひとりの作家を誕生させておられるじゃないですか。もしかすると、マンガの歴史のあらゆるところに遍在されているのでは。

Posted by: 漫棚通信 | August 19, 2005 10:14 PM

>漫棚通信さま

 サラ イネスさんをプロにしたのは、やっぱりR譲(現・片山右京夫人)ですよ。

 こちらは村上もとかさんの後を継いで選者を始めたのですが、「絵がヘタ」という自覚があったもので、選ぶときも、おもしろさや企画性を優先しておりました。サラ今市さんの作品は、面白さ、企画性がピカイチでした。それとラリードライバーに対する偏愛度もピカイチでした(^_^)。

Posted by: すがやみつる | August 20, 2005 03:59 AM

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