訃報・杉浦日向子
杉浦日向子が亡くなりました。驚きました。
NHKの「お江戸でござる」。お芝居のほうは見てなくても、彼女の時代考証解説はまめに見てたので、急に降板したあと、何してんだろうなあと思っていたら、こんな結末になるとは。
ガロでのデビューからずっと読んでました。彼女のマンガがワンアンドオンリーであったのは、江戸の人間をその時代の人間として描いたところ。江戸時代にはその時代なりの、現代とは違う価値観があるのだ、という視点がつらぬかれていたところです。これは、現代の読者に媚びない、ということであり、江戸時代をまるまる描こうという試みでした。他の小説、映画、TVにおいても、ここまで徹底する人はいなかった。その意味で、彼女の資質は、マンガ家というより研究者だったのでしょう。
文章でいい仕事してたし、楽しそうだったから、マンガやめちゃったけどしょうがないかなあ、なんて思ってました。ファンでした(いまだに荒俣宏はちょっと許せてません)。ご冥福をお祈りします。
« 女王の教室 | Main | お好きなのはなあに »
Comments