マンガとオッパイ
最近のマンガでは女の子のパンツが見えるの見えんのと、微妙なレベルで読者が喜んでおりますが、少年マンガに最もヌードが多かったのは、おそらく1960年代末から1970年代前半、まだ劇画的リアルが幼かったころ。そのころはあたりまえに、少年誌で女の子がヌードになってました。始めたのはもちろん、永井豪です。おそらく、彼こそ、少年誌に女の子のヌードを一番多く描いた作家でしょう。
でもって、少年誌で女性の乳首を最初に描いたのは誰か。これも記憶だけで言うと、永井豪「あばしり一家」じゃなかったか。
1968年開始の少年ジャンプ「ハレンチ学園」で、小学生の女の子たちは、スカートめくりでフツーにパンツを見せていました。そして1969年、少年チャンピオン創刊号から連載が始まった「あばしり一家」に、ヒロインの男装の麗人・菊之助が登場します。
極道一家の紅一点で中学生。ハレンチ学園の小学生たちよりスタイルは良く、腕も立つけど、いつも敵に捕われて危機一髪になります。普段は男勝りでも、そういうシーンでは「やめてーっ」と悲鳴をあげて、「必ず」オールヌードになるお約束。明らかに先行していたジャンプより、エロ度は高い。
ごく初期こそ、乳首は手で隠されたり、何かの影になっていました。ところが、極悪教師たちが孤島の中学校で生徒を殺しまくるという「パラダイス中学」編は、「バトル・ロワイヤル」も真っ青のホラー風味。生首が宙を舞い、美少女もあっさり殺される展開。
残酷度のエスカレートに伴ない、ヌードシーンも過激になって、菊之助もオールヌードの立ち回り。乳首がチラッと見えました。といっても小さな小さなアルファベットの「c」。このなんでもないシーンに、どれほどのボンクラ小中学生読者が身悶えたか。
しかし一度描かれると、もうそれはあたりまえの表現となり、この程度では誰も驚かなくなります。その後、敵につかまった菊之助はヌードで十字架にかけられ、真正面から胸がおっぴろげられました。ついに、ここで、乳首と乳輪にスクリーントーンが貼られたのです。このシーン、わたしには全国読者のどよめきが聞こえましたね。この小さな一歩がマンガ表現の大きな飛躍となりました。
↑今回、大ボラの可能性高いので、あんまり信用しないでね。
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