マンガとロボット
日本のマンガやアニメが発明したものに、ロボット・ヒーローというものがあります。もちろんロボットは、海外の映画や小説内で活躍していたのですが、これを子供向けエンタテインメントの主人公にしたのは、やっぱ日本が最初じゃないかな。
遠藤汐「昭和ロボット漫画館」という本が発売されてます。マイナーな出版社の本なので、あまり書店では見かけないかもしれませんが、著者自らあちこちにメールを出して、営業活動されているそうです。大変ですねえ。
実はあんまり期待せずに読んだところが、これが面白い。研究書じゃなくて、気楽な娯楽読み物ですが、なんと言っても、ちゃんとしているのがよろしい。著者は国会図書館まで行ってマンガをきちんと読んでるし、マンガの初出も記載されてる。マイナーな作品の図版も見られます。
取り上げられてるマンガは、田河水泡「人造人間」、武井武雄「ハツメイハッチャン」、坂本牙城「タンク・タンクロー」などから始まって、アトム、鉄人、ロボット三等兵、ドラえもんまでいろいろ。誰も知らない、寺田ヒロオ「ロボット兄弟」なんてのも出てきます。
著者はプロレス関係のライターなので、アトムを取り上げても、ロボッティング(アトム世界でのロボット同士のプロレス)中心に書いてあったり、あと「8マン」は、マントがないデザインだからこそ、強かった、とか。
鉄腕アトムは「鉄腕」とは呼ばれない。ガンダムも「機動戦士」とは呼ばれない。なのに鉄人28号だけ、「28号」じゃなくて「鉄人」と呼ばれるのはなぜか。これは相撲取りの四股名である、との楽しい指摘です。
もちろんすべてのロボットに言及することは不可能ですが、楳図かずお「わたしは真悟」は欲しかったなあ。あと、「あ〜る」も「パトレイバー」も、一応昭和の作品でした。
さて、今ロボットマンガはどうなっているかというと、相田裕「ガンスリンガー・ガール」が、彼らの正しい子孫ということになるのでしょうか。
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