「A」を叱る(やっと後編)
(前編からの続きです)
さて、2005年5月29日放映の日本テレビ「A」であります。「台湾でマンガ家デビュープロジェクト」の後編は、TV番組として面白いかどうかはまあ別にして、以下のような展開です。
TV番組の企画で、台湾マンガ出版社訪問を続ける、27歳女性。2日目に訪れたのは、先端出版と、全力出版。前回、評価の対象にならなかった「リアリティのある大人向けギャグマンガ」はあきらめて、少女マンガタッチの母子モノを提出しました。
実際の作品はコチラ。
絵のレベルはともかく、見開きの右ページか左ページか、タチキリが混乱しすぎてないかい。
以前のギャグマンガを引っ込めて、ストーリーマンガに変更したのは作家の判断ですから、何も言うことはありません。彼女は徹夜で作品を修正し、翌日、これまで訪問した4社に修正したストーリーマンガを届けました。
そして、最終日、ホテルのチェックアウト時間を過ぎてから、ホテルに青文出版社から電話がかかってきます。「採用じゃないけど、今後もサポートする」という内容でした。そして涙があってオシマイ。
番組ホームページによると、後編はこんなふう。
チェックアウト時間を過ぎてからの電話に作為はないのか(ま、あると考えるのがフツーか)。
今回、最大の問題は、4社に同じマンガを送るという、二重投稿どころか、四重投稿という行為です。修正前に、それぞれの出版社が異なったアドバイスをすれば、どうするつもりだったのか。もし、複数の出版社が手を挙げてたら(ありえないことでしょうが)、どうするつもりだったのか。なーんにも考えてないな。
さて今回の企画は、メデタシメデタシなのでしょうか。青文出版社は、彼女と本気でお付き合いするつもりなのか。結局、この結果ってペンディングでしょ。何も決まってないし、何も始まってない。
マンガ家志望者の役にも立たず、台湾の出版社に迷惑かけまくり、しかも番組としては失敗で、視聴率も取れず。日本のTV局がでたらめやってるのは、日本人なら百も承知ですが、よその国まで行って、好き放題やってんじゃないよっ。
Comments
こんにちは。今回は、ほんとにご苦労様でした。もし次の機会があれば、そのときこそ何とか生産的な結果が得られるといいんですが。
Posted by: 漫棚通信 | May 31, 2005 02:17 PM
お初に書き込み致します。elielinです。
今日番組を見ました…あの…評価なんかしていませんよ。ただ「救いようの無い絵と比べて、ストーリーの方はまた着眼点が(台湾人の視点から見ると)独特なので、救えるかも」って言ったと思いますが。もっと男の先生というキャラクターを活用して、親子間の衝突をもっと何かがアクシデントを作って、構成を直してプロットで再提出を求めたんです…返って来たのが、番組HPにあるあれなんですが。辛うじて持っていた話の主軸である「参観日」もいつの間にどこかへ行った、あれを見せたら本当にがっかりしました。
簡単なプロットでもいいから、付けてほしかったです。それがない分、うちでデビューする意欲がないと、こちらが勝手に断定されてもしょうがないと思います。じゃ別に最後わざわざ来なくていいと思いますけどね…ただ印象を悪くするだけですし。
最初は、日本では描きたいものが描けない(例えば時代劇描きたいのに、占いや学習漫画ばかり描かさせている)漫画家、もしくは扱いたいテーマが日本で受けづらいとか(例えば東南アジアの歴史モノや差別関係の話)、もとエロ漫画家で他国でイメチェンしたいとか、変り種の漫画家さんを期待していましたけど(また番組を見ようとしたら自分もこのような内容が見たいですし)。せっかく国の超えた漫画繋がり企画なのに、本当に残念ですね。
漫棚通信さんのブログを読んで、本当にいろいろと勉強になります。これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: elielin | May 31, 2005 01:58 AM
バラエティなんですから、厳密な倫理までは求めませんが、全面的に演出をすればもっと面白くなったんじゃないでしょうか。いずれにしろ中途半端で悲しい企画でした。
Posted by: 漫棚通信 | May 30, 2005 09:14 PM
ヤラセですね。
携行した作品は各出版社に
最初からすべて見せなければおかしい。
一本がダメと言われたらその場で別のを出すに決まってます。(日数がたっぷりある場合でも同じ。出し惜しみにメリットなし。)
本物なら番組から
出し惜しみしろと言われても従いません。つまり芝居であり、徹夜で描きなおしたというのも
嘘でしょう。そこだけ本当にやる意味が無い。
泣いたり抱き合ったりの演技は簡単です。
それでテレビの主役になれるんだからやりますよ。
Posted by: 砂野 | May 30, 2005 06:42 PM