小沢花音版「新アタックNo.1」
浦野千賀子の「アタックNo.1」を集中して読んでたんですが、いやー、面白いわ。傑作。でもってリメイクの小沢花音の「新アタックNo.1」はどうか。
リメイクってのは、作家の意欲でできるものじゃなくて、社会状況でなされるもの。「アタックNo.1」の場合、バレーボール人気が高まったとかじゃなくて、単にTVドラマ化がきっかけになったものだから、このリメイク版もいつまで連載続くものやら、不安いっぱいの始まりです。
元祖は中学2年で開始、全国大会とかあって、国際大会まで行ったあと、高校入学で仕切りなおしの展開をしてました。このリメイク版では、中学の有名バレー選手、鮎原こずえが富士見高校に入学する時点から始まります。主人公は天真爛漫の性格。背は低くとも、抜群のジャンプ力を持つ天才選手。そのけなげさに、登場人物全員が魅かれてしまう。
展開は、元祖のエッセンスを集めたようなものですが、最大の違いは主人公の性格。現代の鮎川こずえは無垢です。時代が下るにつれて、マンガの登場人物はどんどん無邪気になっていくという、他ジャンルとは逆の傾向があるみたいですね。色が無くなり単純に。
この点、元祖とは大きく違うんですねー。元祖はその心の黒さが魅力なんですよー。嫉妬する、すねる、殴りあいする。現代の登場人物より、性格は複雑だぞっ。
小沢花音版はTV放映が終わるときが大きな分岐点。そのあとも続くほどのチカラを持てるかどうか。
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