11とおりのまんが道
「マンガの道 私はなぜマンガ家になったのか」というインタビュー集が刊行されております。こういう本も玉石あるのですが、これは玉のほう。良かった。
登場するマンガ家は以下のとおり。安野モヨコ、山本直樹、江口寿史、古屋兎丸、小池田マヤ、山田芳裕、吉田戦車、矢沢あい、しりあがり寿、内田春菊、ハロルド作石。よく似たタイトルで同時期に刊行された「マンガ道、波瀾万丈」に比べて、インタビュイーの年令がかなり下がってます。
インタビュアーのしゃべる部分をなくし、独白のかたちで構成。内容は、マンガと自分のかかわりについてだけ。これが気持ちいい。人生訓などは出てきません。そして作家が、インタビュアーにマンガについての知識があるだろうことを信用してしゃべってるのが伝わってきます。緊張感に欠けるともいえますが、その分、本音がいっぱい出ているような気が。
アメリカ人がインタビューした「マンガマスター 12人の日本のマンガ職人たち」というのも興味深い本でした。力作。そのマンガ家の全体像がよくわかります。ただ、緊張感ありまくりの対話で、正面きって井上雄彦に、「『リアル』のテーマについて教えてください」とか質問してるからなあ。キツそう。
その点、こっちはラフな雰囲気。吉田戦車がまついなつきから、「お前の描く女の子にはマンコがついてない」と言われたエピソードとか。
インタビュー本としては、とり・みきの「マンガ家のひみつ」なみに面白くてちゃんとしております。
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