漫棚ができるまで
最近、やっと暖かくなってきて、書庫に入っても数分で凍えてしまうということがなくなりました。いい季節だなあ。暑いぶんには汗流してりゃいいんですが、北西の角部屋で小さな窓がひとつだけという特殊なつくり、しかも冷暖房まったくなし。だもんで、北国じゃないけど冬の夜などジャージの上下でいると、ヘタすると凍死するんじゃないかと。
数年前にこの10畳の書庫をつくったとき、やっと、自分の蔵書が一覧できるようになってスッゴクうれしかったんですが、それまで、買った本をどうしてたかというと、倉庫用のコンテナを借りておりました。数ヵ月に一度、雑誌や単行本をダンボール箱に詰め込んで、倉庫に持っていくことを繰り返して約10年。一度詰め込んだ本は、まあ二度と読めませんわね。
ただ、このやり方のいいところは、スペースを気にせず本が買える点であります。オタクの敵は、家族とスペース。手許に置かなきゃいくらでも買えるぞっ。でも、ドラゴンボールを読み直したくてもそれはかなわぬ夢。というわけで、一時は、ナウシカを2セット、ポーの一族を3セット持ってたこともあります。←バカ
ところがさすがに10年使ってると、コンテナもけっこういっぱいになってきまして、そろそろ詰め込むにも限界が見えてきます。上部のスキマがかなり小さくなってきてるじゃないですか。おそらくダンボール箱も百個をはるかに越えてたでしょう。
書庫ができて、まず自分のクルマで実家から数十のダンボール箱を運び込み。一回に数個ですから、何往復したか。これはマンガ以外の本と古い雑誌中心でしたね。でも、いつのまにやら捨てられちゃった雑誌は数知れず(ああ、リリカとマンガ少年の全巻揃いは…)。
続いて、コンテナの契約解消。コンテナ屋のおっちゃんに、トラックでの搬送と、書庫への搬入を頼みました。搬入の当日。わたしはいなくて、同居人が立ち会ったんですが、なんと、じいちゃんがふたり、トラックにダンボール箱積み込んでやってきたそうな。
みなさん、ご存知とは思いますが、本は重い。本を詰めたダンボール箱は、もっと重い。本が上質紙でできてたりすると、さらに重い。で、ふたりのじいちゃんが、ダンボール箱一個ずつ書庫まで、えっちらおっちら運んでくれたそうです。ところが、いつまでたっても終わらない。同居人はいたたまれなくなっちゃったと。
「ハアハア、えらく重いけど、何がはいってるの」
「スミマセンネエ、本なんですよー」
「ああそう、ハアハア、ほかのは何」
「スミマセン、全部、本なんですよー」
「ハアハア、えらい勉強家なんやねえ」
ちゃいます、全部マンガなんですー、とは言えなかった。
全部マンガじゃありません、9割ぐらいです。現在、雑誌・単行本合わせて2万冊ぐらい(←テキトーです。数える気もございません)でしょうかしら。
この本の搬入の前に、四方の壁に沿わせて天井までのスチール棚を、わたしが取り付けておりましたので、これに本を並べてゆく。ただしこれでは全ては収納できません。
その後、書庫内の中央部に置くスチール棚を買いました。これは配達のヒトが、組み立ててくれるサービス付きなんですが、このときも、わたしは留守。同居人が立ち会いました。やってきたのが、じいちゃんと若いの、二人組。若いのが書庫に入ってまわりを見回し、おおー、とか、すげー、とか言ってる横で(まあ、四面の壁に天井までマンガが並んでますから、けっこうな眺めです)、じいちゃんは不自然なほどむすーっとしてしゃべらず、黙々とスチール棚を組み立てていた。
これはこれで、同居人、いたたまれなかったらしい。
さらにその後、書棚を買い足すときは、組み立てサービス付きの物、禁止、のお達しが出ておりまして、自分で組み立てられるものを買っております。
で、これでやっと自分の買った本が読める環境ができて、ネットで駄文を書き始めたというわけであります。でも、本というのは増殖が止まらないんですねー。ゆかに積み上げ始めると、もういけません。ああ、何とかしないと読みたい本が見つからんっ。
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