シガテラとマンドラゴラ
古谷実「シガテラ」第4巻が発売されてます。
「シガテラ」は3巻でもカバー絵に人物がおらず、金魚。で、表紙をめくって最初のイラストが、頭をきっちり七三に分けた主人公とバックに金魚。こりゃなんの伏線かしらとナゾだったんですが、4巻発売された今になってもわかりません。
4巻のカバーにも人物いないなー、花ばっかだなーと眺めてましたら、オビをとって、ありゃ、植物の根っこがニンゲン。これはマンドラゴラじゃないですか。ブ、ブキミなものを。
ナス科の多年草。英名はマンドレーク。有毒だが薬用植物としても使用される。というわけで、シガテラとは毒つながりです。でも、一般には現実の植物としてより、幻想の植物として有名。ゲームのファイナルファンタジーには植物怪物として登場してるらしいですね。
通常、根っこの部分が人間の形として描かれます。根っこがむっちりとして二股に分かれているのが人間を連想させるかららしい。旧約聖書の創世記や雅歌には「恋ナス」(媚薬ですな)として登場。その後、催眠剤、催淫剤として、あるいは呪物として魔術と結びつきました。
魔法植物としてのマンドラゴラは、死刑囚が絞首台で漏らした精液から生じ、引き抜かれるときには恐ろしい叫び声を発して人間に魔力をかけ、とても危険。だから、マンドラゴラを採取するときには犬を使い、ヒトは耳をふさいでいたそうです。
マンガの中のマンドラゴラといえば、鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」。チャンピオンコミックス版3巻の「暁に種をまいた!!」の回で、トシちゃんとそうじが庭でヘンな植物を見つける。
「これいつの間にはえたんでしょう」「気持ち悪い植物だなー」「よし ひっこ抜いて捨てちゃおう!」「あれっ!? これなかなか抜けないぞっ」「よいしょ よいしょ」
ぐっと引っ張ると、地中にあった根っこの部分がきんどーさん。
「キャーッ!!」
きんどーさんの悲鳴でそうじとトシがふっとんで、そうじのツッコミ。「マンドラゴラですか!?」
このあと、マンドラゴラの解説がないと意味がわからないというとんでもないギャグで、イキオイだけで突っ走ってました。
さて、「シガテラ」のカバー・イラストは古谷実自身のものですが、わざと古そうに描いてあって雰囲気ありますね。古谷実のマンドラゴラ造形の元ネタになった絵は、このページで見られます。
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