マンガ表現の自由について→ちば先生、エライ
2005年2月17日、松文館裁判に被告側証人としてちばてつやが出廷したことはすでに報じられています。
「松文館裁判」サイトによる、こまかい証言内容はコチラ。
そして、ちばてつやのサイトでは、2月18日付けの「ぐずてつ日記」で、自身の言葉で語った意見表明。さらに12年前のマンガ作品「〜と、ボクは思います」を全ページ掲載しています。
このマンガでちばは、自作の「蛍三七子」のキスシーンや、「あしたのジョー」の力石戦をサンプルに出して、規制への反対を表明。
・表現は常に描く側の良識に委され己れの仕事に対する誇りや自粛に計るべきであって
・だんじて法律などで規制すべきものではないっ
・すべての表現はすべてに自由であるべきだ!!
・誰からも規制されない自由の中で自由に表現されたものの中から
・読者が読者の好みによって自由に選択すべきなんだ
旧世代に属すると考えられているちばてつやですが、この問題に関しては、全面規制反対派。裁判の証人として証言するというのは勇気のいることだと思いますが、りっぱ。
気になるのは、毎日新聞の記事。この記事では、ちばは以前より
・セックスや暴力だけの作品は、いずれは飽きられ自然淘汰される。
と主張していたことになっていますが、松文館裁判のサイトによると裁判の証言では
・そういうものが嫌だということになれば、自然にそれは売れなくなるし、お母さんたちがこれはいらないと、お母さんに限らず読者がこんなものは日本にはいらないということになれば自然に消滅していくので、自然淘汰に任せて欲しいなと。いうふうに思います。
これってニュアンスそうとう違わないか。ちばてつやはマンガの中のセックスや暴力を否定しているわけではないはずです。マンガ「蜜室」の評価にしても、毎日新聞では
・ほめられたものではない
とありますが、松文館裁判サイトによると、実際の裁判では被告側証人ということもあり、否定的には語っていません。
・人間のドラマを描こうとするとどうしてもそういう男女の愛やセックスやなんかも表現しなくてはならないということもかならずあると思います。
・なにもここまで細かく描くことないじゃないかと思うんですけども、ても、それは表現する漫画家の、絵描きさんの感性なので。
毎日新聞記事と裁判サイトのどちらを信用するかってことになりますが、どうも毎日新聞アヤシイぞ。記者の主観で書いてないか。
Comments
コメントありがとございます。なるほど、無視するマスコミより、大きく記事にする方が問題意識を持ってると。そういえば、予定通りなら本日が次回公判の日でしたね。明日の新聞には載るかな。
Posted by: 漫棚通信 | March 17, 2005 08:31 PM
私、東京高裁にて傍聴してきたんです。
無罪判決を願っておりますよ~。
法廷ではちば先生、弁護側・検察側質問の順で証言なさいました。
松文館裁判サイトは弁護側分のみなので、証言内容全体の約70%分くらいかなぁ?。
検察側分、どこかで読めませんかねぇ^^;。
※毎日新聞報道は概ね客観的だわ…ってのが、とりの感想です。
記者(?)、終了後ロビー説明会でも確認質問なさってたし、掲載も五段抜き扱い。
弱腰日和見他紙と比べりゃ、毎日もエライと思う。
Posted by: とり | March 17, 2005 04:06 AM