ここはどこ、わたしはだれ
各方面で絶賛のアラシなので、書こうかどうか迷ってたのですが、ええい、遠慮しててどうする、というわけで、ちょっとだけ。
ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」がブレイク中です。ライバルとの試合より、チーム内の人間関係こそドラマだ、という新感覚のスポーツマンガ。新鮮で楽しく読めますが、不満もあります。
1巻収録の第1回は、64ページ中、タイトル前の3ページを除いてまるまる61ページがひとつのシークエンスで構成されるという意欲的な回。
実質的な始まり、4p1コマで学校、新学期の運動部の新人勧誘がおこなわれてます。4p2コマで主人公・三橋がグラウンドを眺めている。ここがこの回の舞台。さて、ここはどこでしょう。学校隣接のグラウンドと考えるのが自然か。回りに木がはえてるし、河川敷とかじゃなさそう。7pや59pでラグビー用のゴールポストが見えてますから、野球専用グラウンドではない。15pで埼玉県であることが明らかに。20p4コマでやっと遠景が見えますが、そうとうな田舎みたいです。29p5コマで「…学校の外には畑が広がる」とありまして、ここが学校に隣接するグラウンドであることがはっきりしました。
というわけで、どうもこれがひぐちアサの芸風らしい。説明描写をしない。スポーツマンガでまず絶対あるはずの、学校全景やグラウンド全景の鳥瞰がない。学校名が登場しない。学校名が出てくるのは、ユニフォームのロゴを別として、やっと練習試合が始まった150pになってからというのんびりさ。でもこれから読み始めるマンガの第1回を、舞台がどこなのかはっきりしないまま、いろいろ類推しながら読み進めるのは尻がむずむずするぞーと言いたい。
次に野球部員。主人公・ピッチャー三橋は1pから登場、4p7コマに登場するのが3人。学生服・黒髪・鼻にソバカス(サード田島)。ユニフォーム・茶髪(セカンド栄口)。毛糸帽子・セーター(キャプテン・センター花井)。5p2コマに2人。セーター・黒髪・頬にソバカス(第1回では名前が出ませんが、ライト泉)と主人公その2のキャッチャー阿部。
9p2コマでアミカーディガン・頬骨・黒髪(彼も名前が出ません、ベンチ西広)とジャンパー・茶髪(名前出ません、レフト水谷)。11p1コマになって黒の丸坊主(当然名前出ません、ショート巣山)。彼なんか初登場時、顔は斜線と口だけです。
これで9人。あれっ、野球部員って10人じゃなかったっけ。実は、黒髪・丸鼻のファースト沖は、合宿中、監督に名前呼ばれて初めて登場してます。第1回のグラウンドシーンで集まった部員は9人だったはずなのに、キミ、いつからそこにいた。
さらにレイアウトにナゾ。58p5コマに阿部と三橋が並んで、それに相対する他の部員たち。花井の右手に泉、後ろに田島。
ところが、59p2コマになると花井の右手に泉、そのさらに右に田島。田島クンぐっと右前に出て行ってます。さらに59p3コマでは花井の後ろにいたはずの水谷と巣山が右へ移動。
どうもこのテキトーさも、芸風か。
とか言ってますが、最大の問題は、万人がわかってると思いますが、登場人物いっぱいだとねー、顔のねー、判別がねー、…
Comments