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December 31, 2004

ジャパニーズ・オルタナティブ「ガロ」

 アメコミに、オルタナティブ・コミックというジャンルがありまして、これが英語の苦手なわたしには、なんと訳していいかわからない。辞書ひいても、二者択一の、とか代わりの、とか書いてあって、「二者択一のマンガ」って何よ。

 「メインストリームのスーパーヒーロー・コミック以外の、別の価値観を持つムズカシげなコミック」とでも訳すべきなんですかね。でも、オルタナティブ・コミックのもっといい日本語訳がありました。「アメリカの、ガロ系のマンガ」

 ガロが分裂しちゃってもう長くなりましたが、今も「ガロ系のマンガ」と言って通じますか。ガロも歴史が長いので、「カムイ伝」を思い出す人、つげ義春を第一に挙げる人、湯村輝彦の表紙をイメージする人、長井勝一引退後のツァイト時代しか知らない人、いろいろなんでしょうけど、ジャパニーズ・オルタナティブといえば、やっぱり「ガロ」。でも、いまやガロ系マンガは、大手出版社の各月刊誌に分散しちゃった感があります。

 ガロこそ、オルタナティブの牙城でした。ガロがもしなければ、日本のマンガはものすごく偏った進化をしたんじゃないか。片手にジャンプ、片手にガロ。おかげで日本マンガはオルタナティブの長い歴史を持つことができ、読者のマンガ読み能力が上昇しました。蛭子能収や根本敬を面白がることができるようになったのは、この雑誌できたえられたおかげです。

 ガロ末期の副編集長にしてやまだ紫の同居人・白取千夏雄のブログが始まっております。以前より自身のサイトがありましたが、ブログ形式になって書きやすいと見えて、更新速度が30倍増しぐらいになってます。「(連載)青林堂大学」に期待。


 というわけで、本年はこれでおしまいです。良いお年を。

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Comments

 「オルタナティブ」は昔はよく「前衛」と訳されてました。
 個人的には『ガロ』はオルタナティブより「アンダーグラウンド」という感じがします。なんとなく「オルタナティブ」っぽいのはむしろ『COM』ですね--単なる印象ですけど。

Posted by: boxman | January 01, 2005 at 08:19 AM

おお、前衛マンガ。最近日本じゃあまり言わなくなりましたね。アメリカンコミックス最前線を拝見しますと、まずMADから始まり→クラムのアンダーグラウンド→スピーゲルマンらのオルタナティブ→グラフィックノベルという流れですか。オルタナティブという言葉自体はいつごろから使われたんでしょう。1991年にマウスが日本で訳されたときはアバンギャルド・コミックなんてもろ「前衛」という言葉が使われてましたけど。

Posted by: 漫棚通信 | January 01, 2005 at 03:37 PM

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 ありがとうございます。  80年代からガロ末期、特に分裂というかクーデター事件の顛末などは、いろいろな方から本にすべきではないかというオファをいただきましたが... [Read More]

Tracked on January 03, 2005 at 05:11 PM

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