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November 27, 2004

ゴージャスばあさんが描きたい

 山下和美「不思議な少年」3巻と「寿町美女御殿」1巻が同時発売され、まとめて読んだんですが、今、著者はジジババが描きたくってしょうがないみたい。

 山下和美の昔からの読者じゃなくて、柳沢教授からなのでくわしくないんですが、少なくとも柳沢教授が始まったころは、ジジババを描くのがそれほど得意だったわけじゃない。初期の柳沢教授なんか、意外とすっきりした顔してます。それが脇役の年寄りたちを描くうちに、柳沢教授もどんどん頬がふくらんできて(というか、たれてきて)、いーい顔になってきます。

 現在の山下和美の得意の顔といえば、ゴージャスばあさん。背筋をピンと伸ばし、アゴをあげてひとを見下す目。プライドあくまで高く、エラソー、元・美人。「天才柳沢教授の生活」でいえば、9巻89話の黒川助教授、11巻101話の豪徳寺頼子、そしてなんといっても19巻からの昭和20年編の貝塚徳子。

 老いはわたしたちが生きている限り避けられないもの。ならばカッコよく老いたいというのは夢です。マンガがこれから老いを描いていくなら、カッコいいジジババの顔が見たいっ。老人と子供を描かせてうまいのは大友克洋といわれてきましたが、最近の第一人者は山下和美か。

 「不思議な少年」3巻10話「二人のレディ・エッシャー」で、ヒロインはちゃんと老いてみせました。「寿町美女御殿」では、ついに102歳のバーサン、エリザベスが主人公です。老年向けマンガはこういうところから誕生しつつあるのか。

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