オビのはなし
最近はマンガ単行本にもオビ(以前は腰巻なんて言い方もしてましたが)がついてることが多くなりまして、あれみなさんどうしてます。
仕事用の本なら、わたしオビはとっちゃう、箱も捨てちゃう、カバーもはがしちゃって、裸にしてバシバシといぢめてるんですが、さすがにマンガは。美術品といえなくもないものですし。カバーはがす事はないですよ。でもオビはどうしよう。
デザイン的にオビが重要なものもあります。吉田戦車「伝染るんです」のゆがんだオビ。羽生生純「恋の門」のカバーより絵の多いオビ。最近はオビの推薦文を誰が書くかで売れ行きが違う、なんてこともあるみたいで(柴咲コウのアレとか)、マンガにも推薦文が書かれたオビが増えました(みなもと太郎のコレとか)。
マンガを除く古書の世界では、オビのあるなしで、倍以上の値がついちゃうこともあるらしい。プレミアのつくようなマンガ古書は、わたしの守備範囲外なんでよく知らないんですが、マンガでもオビで値段が変わることもあるんでしょうね。でも初版何百万部というベストセラーマンガの古書価格はオビの有無じゃ変わらんでしょ。でもこれがっ。あのまったく必要のないオビがっ。なかなか捨てられないんですね。数年たてば貴重な情報源になるかもしれないじゃないですか。
マンガ単行本のオビがいつごろから始まったのかはよくわかりませんが、わたしの書棚にあるものでいうと、1979年のブロンズ社のシリーズにはオビがありました。ひさうちみちおの第一作品集「ラビリンス」(大胆な真夜中!細心の真昼!)、宮西計三第一作品集「ピッピュ」(君は恐怖のように美しい!)とかね。かっこいいコピーだなあ。
読むのにジャマなんで、はずして本棚のすみっこに押し込んでおく。読み終わったらまたオビをかけりゃいいはずなんですが、一度はずしたオビは四次元へ消えてしまうことになってます。見つかることは、まず、ありえません。というわけで本棚のあちこちやら床やら、ときには居間のテレビの裏とかソファの下とかに、「何かの」オビが散乱してるこの状況をいかにすべきか。
この落ちてんのはどうすんねん。ああ、捨てたらあかん、大事なもんなんやから、こないだゴミ箱にオビ捨ててあったやろ、あんなことしたらあかんやろ。こんなもんのどこが大事や、そんなに言うならまとめてカギでもかけとかんかっ。
あと、その月の出版情報を書いたチラシもねー。
Comments
コメントありがとございます。ホントにどうしてみんなオビを邪険に扱いますかねえ。実は上の記事を書いたあと書庫をあさってみると、わたしの持ってるマンガのうち、オビのもっとも古いのは、1967年の集英社コンパクト・コミックス版白土三平「風魔」1巻のようです。オビに推薦文を書いてるのが佐藤忠男でけっこうムズカシイ文章。この時代、マンガを買うお金は、まだまだ子供のこづかいじゃなくて、親のサイフから出てたんだなあと感じます。
Posted by: 漫棚通信 | April 24, 2005 09:41 PM
オビは捨てられませんねぇ
うちでいうと、「ワイルド7」を自分で買い始めた1972年ごろの9巻あたりには帯がついていたと思います。親のとこに置いたままなので確認できませんが。
8巻までは貸本で読んだので不明。1972年の正月に一気に1~8巻までそろえましたが、それにはもう帯がなかったような。
で、しばらくはオビをはずして別にしまっておいたのですが、いつごろだったか帯を戻してオビごとトレペのカバーをかけて棚に立てるようになりました。
最近の悩みは、子供たちに昔の本を読ませたときに、中に挟まっていたものやオビが傷んだり入れ違ったりすることですね。夢中になって読んでくれるのはいいのですが。
Posted by: a.sue | April 24, 2005 07:35 PM