Nessun dorma, nessun dorma...
「Nessun dorma」とはプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の中で歌われるアリア(だそうです)。「誰も寝てはならぬ」と訳されます。
舞台は昔々の中国・北京。放浪の王子カラフは、この国の姫トゥーランドットに求婚しますが、3つの謎を解かなければならない(かぐや姫とか長靴をはいた猫みたいですね)。この謎解きに失敗すると殺されてしまうのです(なんちゅう姫や、殺人鬼やん、こんなのに求婚すんなよ)。見事に謎を解いたカラフですが、トゥーランドットは納得しません(やなヤツやねー)。そこでカラフは逆に、自分の名を当てる事ができたら結婚しなくてもいいよと、姫に提案します。姫は北京の民に命令します。世を徹して男の名を調べ上げよと(中国人もタイヘン)。つまり「誰も寝てはならぬ」ですね。
カラフは夜中にひとりで歌います。
「姫は誰も寝てはならぬと言うてんねけど、ボクの名前はまあわからへんわね。朝になったらボクの勝っちゃ」
このあとカラフを慕う娘が捕えられ責められますが、カラフの名を言わないように自ら命を絶っちゃいます。これを見たトゥーランドットは改心して真実の愛に目覚め、カラフと抱き合って終わり。「彼の名がわかりました。彼の名は『愛』です」(ちょっと待てーっ、今まで殺された求婚者や死んだ娘の立場はどうなるっ)[参考:青池保子「エロイカより愛をこめて」皇帝円舞曲]
とまあこういうお話ですが、このアリアのタイトルを拝借しているサラ イネス「誰も寝てはならぬ」第2巻が発売されました。なんでまたこのタイトルなのかしらん。
大阪出身のゴロちゃんとハルキちゃん。東京赤坂の零細デザイン事務所の社長とイラストレーター。関西弁でもっちゃりと展開するひたすらお気楽な日常。それぞれの回のタイトルがSS31「さあさあソレやん」とかSS36「公園でウダウダ」とかSS39「んなワケないやろが」ですからねー。お気楽でしょ。でもわかんないのがこの「SS」。何のこと?
いいなあ、楽しいなあ。人であるなら悩みも苦しみもあるはずなんですが、それがすべて会話の中で昇華されていく感じ。このマンガの中はこの世の楽園か。前作「大阪豆ゴハン」との違いは、ゴロちゃんバツサンの独身、ハルキちゃんバツイチの独身なんで、男女のオハナシが多いところですね(というか、どうも恋愛がテーマのマンガらしい)。でも登場人物がみんなオトナですから、からっとしてる。
サラ イネスは前作ではサラ・イイネスとなのってましたが、改名してます。このナカグロのあるなしに何かこだわりがあるようで。
Comments
ラリーのスペシャル・ステージ=「SS」? そりゃわからへんわー。
Posted by: 漫棚通信 | November 23, 2006 11:23 PM
突然ですが、ご連絡致します。
>でもわかんないのがこの「SS」。何のこと?
実は私もはっきりとはわからないんですが、WRC(世界ラリー選手権)で、スピードと時間を競うステージの事らしいです。
ようしらんけど。
ちょっとした疑問が何かの手助けになればと思いました。ではごきげんよう。
Posted by: ウンコー | November 23, 2006 09:29 PM