窓から窓へ
田丸浩史「ラブやん」1巻からの引用。
・幼なじみの女の子
・学校はずっといっしょ
・隣に住んでて窓ごしに会話が可能
あんたねー!! こんなマンガと
ギャルゲーの中にしか存在しないよーな
あからさまなイイ シチュエーションで
ナニやってんのよ
もったいない!!
さて、この「マンガとギャルゲー」だけの設定が「モンキーターン」の中に出てくるわけですが、この元祖とは。昨日も書きましたが、石森章太郎「気ンなるやつら」ではないかと(もっとビッグな作品を忘れてるような気もするんですが)。
「気ンなるやつら」は1965年1月から1968年6月まで「平凡」に連載。主人公は高校生のマリッペと、隣に住む同級生の六村六ベエ(あだ名はダブル6だよ、書いてて恥ずかしいな)。隣同士に住む幼なじみで、部屋が2階にあって向かい合ってる。屋根づたいに行き来できる。「モンキーターン」とまるきり同じと思ってください。
彼らがハイキングに行ったり、スキーに行ったりするお話。日常のデートの回もあるんですが、現代のマンガと違うのは、ギャングとかスパイ団のおこす事件にまきこまれるところ。ここはいかにも60年代ですねえ。60年代というのは、言ってみれば、007とビートルズと若大将。マリッペと六ベエも、高校生とはいいながら、その行動様式は若大将風大学生そのもの。「ストップ!にいちゃん」の勇一くんが、中学生のくせに犯罪に巻き込まれたりしながら若大将のような活躍をするのも、60年代気分ですね。
さて、窓と窓が向かい合ってるマリッペと六ベエは、単なるオトモダチではありません。明らかに恋人同士。そして屋根を伝って窓から部屋にはいってくるのは、男のほうじゃなくて女の子。このシーンも「モンキーターン」で踏襲されてました。
だいたいドアからじゃなくて「窓から」はいるってのは、ラプンツェルでもドラキュラでも、セックスを連想させます。たしかアチラのホラー映画にも2階の男の部屋に窓からこっそりはいる女の子、というのがありました。これはドキドキするシチュエーションだよねー。まして「気ンなるやつら」では窓が向かい合ってるから、日常的に行ったり来たり、いくらでもできちゃう。
これこそ、軒と軒を接するという日本の劣悪な住宅事情が生んだ、偉大な発明というべきでしょう。
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