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September 23, 2004

雑誌の終わらせ方:「斬鬼」の場合

 雑誌というのはどんなものでもいずれ終わってしまうものですが、終わり方もいろいろ。発展解消というのもあれば、不幸な終わり方も。まあ、後者がほとんどなんでしょうが。

 少年画報社「斬鬼」が、今発売中の10月号で休刊のようです。2000年発行の時代劇マンガ誌。隔月刊ということもあり、人の目に触れる事が少なかったんじゃないかしら。今年の初めごろ、この雑誌を探していろんな書店やコンビニをめぐりましたが、結局見つからず。売り切れてたんじゃなくて、わたしの住んでる周囲では、取り扱い自体をしてなかったんですね。これじゃ売れないよなあ。しょうがないので390円の雑誌を書店注文しちゃいましたよ。

 他の多くの時代劇マンガ誌と同様に、再録半分、新作半分の雑誌でした。雑誌の顔は神田たけ志・小池一夫「御用牙」の再録。平田弘史も毎号旧作を再録。最近の評判作は手塚治虫文化賞をとった、もりもと崇「難波鉦異本」。最近刊行された、みなもと太郎「挑戦者たち」も「斬鬼」に連載されたもの。みなもと太郎は最近、自身のじいちゃんの話「松吉伝」を連載中でした。

 最終号のひとつ前ではバロン吉元の新連載も始まってたし、最終号ではなんと、あの、ふくしま政美「ケミストリー」(原作・あかね胡茄)が巻頭カラー新連載。60ページもかけて主人公の能力が何も発揮されていないというプロローグ段階なので、お話としてはなんとも言いようがないんですが、ふくしま政美の絵の魅力は十分。

 最終号巻末には「斬鬼休刊 足掛け5年ご愛読感謝 バックナンバーに見る時代劇マンガの系譜」と題しまして、全23号の書影と掲載作の紹介があります。こういうのを読むと、編集者がこの雑誌を愛していたんだなあと想像される。「斬鬼」の終わり方はいい終わり方でした。でも、「次号は年末発行予定!」とあって、休刊したんかい、してないんかいっ。どっちにしても、連載作品の身の振り方はちゃんとカタつけてね。

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