「アニメがお仕事!」は泣けます
わたしがアニメ関係の方とちょっとだけ知り合いだったのは30年も前のことですが、当然のことながら当時から経済的にはとてもキツい職場だったようです。爆発やら戦闘機ばかり描いてると言ってたなあ。
石田敦子「アニメがお仕事!」1巻を読みました。アニメプロダクションを舞台にした、特殊職業モノであり、青春群像モノであり、日常生活モノであります。
主人公は新人アニメーターの双子(♀♂)、イチ乃と二太、19歳。イチ乃は巨乳のメガネっ娘という記号みたいなスタイルですが、数ページおきに泣いているような性格。二太は熱血。彼らの職場での人間関係やら、新企画の仕事やら、職場引っ越しやらで話が進みます。劇的な展開があるわけではありません。主人公は仕事場とアパートを往復してるだけ。タイトルどおり、お仕事ばっかりしてる作品。
マンガ家にしてもアニメーターにしてもオタクな仕事を職業にしたヒトビトの話はいい。オタクに徹する心意気といいますか、この作品なら、ガンダム話はもう恥ずかしいと同級生に言われたりして落ち込みながらも、アンケートのご職業欄に「アニメーター」と書き込むシーン。
青春モノの常ですが、イヤな上司、ライバルも登場。アニメ界のイヤな裏話もいろいろ出てきます。作者は元アニメの人ですから、この手の話は実話なんでしょう。でも読後感がいいのは、作者がアニメとその仕事を愛しているのが伝わってくるから。きっとこれから、もっとイヤな事件がおこるに違いないと予想されますが、がんばっていただきたいと、単純に応援したくなります。
ただ帯に「アニメーターにも青春はある。」とありまして… このコピーはなあ。あたりまえやんか。あんた、ないと思てたんかいっ。
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