スパイダーマンの精神分析
本日の朝日新聞、吉田豪のコラム「コミック教養講座」は池上遼一版「スパイダーマン」の話でした。ここに「原作のスパイダーマンも精神分析医に通っていたんだし」という文章が出てきます。
元ネタは、おそらく1976年に発行されたサンコミックス版「スパイダーマン」2巻に載せられた平井和正の一文「さらば『スパイダーマン』」(1)でしょう。
「やたらに苦悩したあげく、奇怪なコスチュームのままのスーパー・ヒーローが、精神分析医の長椅子(コーチ)に横たわる図は、これはもうナンセンス・ギャグというほかはあるまい。ストイックな日本の読者には、波長が合わないのだ」いや、当時のアメリカ人にとってもこれはギャグと思いますが。
ただ、ちょっと待ってくれ。「コスチュームのまま精神分析を受けるスパイダーマン」という図、いかにもありそうで、平井和正が書いてるんで、わたしもどこかで見たような気がしてました。それにみんな当然存在したように語ってる。でも「MAD」のパロディマンガや「PLAYBOY」のヒトコママンガならじゅうぶんに成り立つでしょうが、本家スパイダーマンにこういうシーンはあったのか。書庫にある小野耕世のスパイダーマン紹介文や小学館プロダクションの「スパイダーマン パーフェクトガイド」を探してみても見つからないんですよう。こんなに印象的なシーンのはずなのに。
前後のシチュエーションもどうだったのか。スパイダーマンがコスチュームのまま精神分析医のオフィスに窓からはいってくる。「予約してないんだけど…」そして長椅子に寝て指を腹の上で組み合わせる。「怪人をやっつけるたびに新聞がボクを攻撃するんだ…」医者はどんなアドバイスをしたんでしょ。
というわけで、このシーン、ホントに本家スパイダーマンに存在するのか、どなたかアメコミにくわしいかた、教えていただけませんか。
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