サンペとゴシニ
昨日はとんがりやまさんところにコメントしようとして大失敗。多重投稿するわ人名を間違えるわ。えらいことご迷惑をかけてしまいました。いや申し訳ありません。コメントしようとしていたのはココ。サンペに対する愛のあふれたいい文章です。ぜひご一読を。
ジャン=ジャック・サンペといえば何といっても「わんぱくニコラ」のマンガ家として有名です。サンペを探してネットや書庫をさまよって見つけたことを書いておきましょう。
サンペは1932年生まれ。19歳でマンガ家デビュー。初期にすでにニコラの原型となる少年の絵を描いていたそうです。1955年ルネ・ゴシニと出会い(このあたりの年号はゴシニのサイトに基づいてますが、1954年のほうが正しいような気も)、「ニコラ」の雑誌掲載が始まります。ニコラ最初の単行本が1960年発行。日本でポケット文春のシリーズで「わんぱくニコラ」が発行されたのが1969年です。
サンペはまだご存命のようですが、彼のインタビュービデオがありました。 「Sempe, the Relentless Dreamer」のタイトルで2002年制作。Relentlessは無情な、とか、厳格な、の意味ですから「サンペ きびしい夢見人」とでも訳しますか。この紹介文によるとサンペはメディア嫌いでこの番組で初めて自分について語ったと。顔がコワイ。何か星一徹みたいだなあ。若いときの写真はもっとハンサムだし、おちゃらけた顔してることもあるんですけどね。
サンペと同じフランス人のジェラール・ブランシャールは「劇画の歴史」(どんな本かはコチラ)の中で、1965年の「ランペール氏」を高く評価しています。パリの小さな酒場の常連たちの間で起こった些細な出来事のスケッチ。ただし「ランペール氏」は売れる本ではなかったようです。
「ニコラ」の文章を担当したルネ・ゴシニ。彼はバンド・デシネ界の巨人とでもいうべき人物です。1926年生まれですからサンペより6歳上。ひょうひょうとした西部劇「ラッキー・ルーク」がモリスによって創造されたのは1947年ですが、1955年からゴシニはそのライターをつとめます。そして「タンタン」以後最大の成功といわれる「アステリックス」が1961年ゴシニとユデルゾの手で誕生しました。アニメーションにもなってますし、昨年末には実写版アステリックス映画「ミッション・クレオパトラ」が日本でも公開されましたね。主演はモニカ・ベルッチ。ゴシニは残念ながら1977年に若くして亡くなりましたが、25巻以後のユデルゾ単独作品も「ゴシニとユデルゾ」作品として発行されています(評判はもうひとつのようですが)。
ゴシニのオフィシャル・サイト(フランス語です)では「アステリックスの父。ラッキー・ルークの主要シナリオライター。プチ・ニコラの著者。世界で最も読まれているフランス人作家のひとり」と紹介されています。
このサイトにもサンペのちょっとした言葉が載ってます。
「私はバンド・デシネが嫌いだ。読んだこともなかったし、好んだこともなかった。一方、カートゥーンはいつも私の心を動かしてきた」
うーむ、ガンコそうだなあ。
Comments
ご迷惑かけてすみませんでした。
わたしもフランス語はまったくダメなんですが、ネット上のものならAltaVistaのBabel Fish Translationでサイトごと仏語→英語に一括変換すればなんとかならないことも。
Posted by: 漫棚通信 | July 29, 2004 05:48 PM
こんにちは。
いやあ、色々とお教え頂けて感謝感激しています。2002年のインタビューの件は全く知りませんでした。
バンド・デシネがお嫌いなのは、まあ作風から想像できてましたが、もしかすると自作のアニメ化もずっと拒否なさっていたんでしょうかしらん。Relentless、という語はなるほどと思いました。
『Monsierur Lambert』は新書で持ってます(サンペの単行本にしては結構厚め)が、さすがに仏語が読めないことには全く歯が立たないですねえ。
Posted by: とんがりやま | July 28, 2004 12:06 AM